2018 Fiscal Year Research-status Report
現代米国の「複合的都市再生政策」の展開下における教育政策の位置と効果に関する研究
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18K13054
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
榎 景子 九州大学, 人間環境学研究院, 助教 (60813300)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教育政策 / 都市再開発 / 学校再編 / 住宅政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究においては、第一に、教育行政学および都市社会学の見地から先行研究の精査・収集を行い、理論動向の検討に着手した。第二に、米国シカゴへ渡航調査に赴き、関係各位へのインタビュー調査の実施と現地資料の収集に重点を置いた。 特に第二の渡航調査については、研究計画時点ではサンフランシスコあるいはニューヨークへの渡航を計画していたが、先方の都合が付かなかったため、申請者がすでに関係を築いているシカゴへの渡航調査に切り替えた。シカゴでは、ナショナルルイス大学、シカゴ大学、イリノイ州立大学において、計7名の研究者(大学教員)に対して、シカゴの教育政策と都市再開発との連動についてどのような把握をしているか、ならびにそれらを踏まえた大学および小中高校での教育実践事例についてインタビュー調査を行い、資料提供を受けた。また、数年前に学校再編の対象となったシカゴの公立高校1校を訪問し、授業見学・学校見学を行った後、校長に対して学校の設立理念や教育課程編成、保護者・地域との関係づくりについてインタビュー調査を行った。さらには、同校の高校生に対しても、同校での学びの成果や自身と地域の将来像についてインタビュー調査を行った。加えて、同校が位置する地域は住宅再編・再開発が急速に進められていることから、その変化を把握すべく地域を散策し、視覚資料の収集を行った。 これら現地調査で収集した資料の一部については整理分析し、学会にて成果発表を行った。その他の現地収集資料および先行研究の検討については、次年度以降の成果発表に向けて、整理・読解・解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度においては、研究計画のうち渡航調査を実施できるかどうかが重要であったが、予定していた地域にこそ渡航できなかったものの、別の地域への訪問にすばやくに切り替えることで、想定を超える多くの大学で研究者へ理論的実践的動向に関するインタビュー調査ができ、また、それらの研究者との対話を通じて本研究課題が米国で極めて重要な課題となっていることも確認できた。さらには、近年訪問が難しくなっている公立高校とその地域の見学にもこぎつけ、教育活動や地域実態についてのインタビューおよび観察、さらには視覚資料の収集もすることができた。このことは本研究の深まりという点で非常に大きかった。現地調査で得られた成果の一部については学会で発表もでき、フロアからのフィードバックも得ることができている。今年度収集した資料については、次年度以降の成果発表に向けて分析を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の渡航地域を計画段階に予定していた地域から変更したことにより、次年度以降の渡航調査先については調整を行う必要がある。まず、次年度以降の他地域への訪問に向けては、本年度つながりを構築できた研究者と引き続き交流を続けているため、訪問先の紹介などを依頼する予定である。また、今年度の訪問調査で収集した資料については、未解析のものがあるため、早急に分析に着手する。
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Research Products
(2 results)