2018 Fiscal Year Research-status Report
限界集落における高齢者の主体的な地域自治活動の促進のための生涯学習システムの研究
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18K13058
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
久保田 治助 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (40560719)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者教育 / 限界集落 / 生涯学習 / 地域自治 / 公民館 |
Outline of Annual Research Achievements |
過疎地域の中でも65歳以上が50%を超える「限界集落」と呼ばれる地域に住む過疎地域に住む高齢者たちが主体的に地域自治活動を行うために必要となる公民館を中心とした学習環境の整備と、地方行政や他地域とのネットワークを形成するための生涯学習による高齢者学習支援プログラムの開発を行うことを目的としている。 特に、自治体内分権が進むなかで地域高齢者が、地域自治活動を住民や行政、NPОと連携を取る際に、住民全体の意見をすみやかに把握し、共生・協働で行うための学習する組織を作ること目的としたシステムとして「地域づくり提言書」作成を公民館主事を中心として各地域で作成する。地域住民と行政、NPО、大学が連携を取ることで、高齢者による地域社会の自立促進が一層進むものと考える。しかし、これまでの高齢者の学習支援に関する研究は、都市部の高齢者が中心であり、過疎地域の高齢者の地域づくりを目的とした学習組織についても、地方のなかでも特に過疎地域に住む高齢者に対する具体的な学習環境は整備されていない。ましてや、限界集落という地域自治組織の存続と地域活性という課題に直面している高齢住民への生涯学習支援は急務である。 そこで、限界集落の「地域づくり」に関わる地域高齢者の主体的な学習のあり方を総合的に把握するために、2つの視点で明らかにする。(1)限界集落として<集落再編>の問題が顕在化しており、その課題に対応している自治体に着目し、①それぞれの地域づくりで行っている学習課題・学習方法の分析および②学習内容の構造を分析する。(2)全国の限界集落がこれまで「むらおさめ」という課題に地域高齢者が直面したとき時の行政対応と地域住民の合意形成についてどのような学習がなされたのか、①歴史的な「むらおさめ」に関する合意形成の変遷と、②各限界集落固有の内在化された地域課題を浮き彫りにすることで、学習支援を促進させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画としては、これまでの研究を発展させるために、以下の手順で研究を進める。 1.限界集落の先進的事例における学習組織支援者へのヒアリング調査、2.地域高齢者へのアンケート調査による、共同学習を行ったことへの変化の分析、3.限界集落での「地域づくり提言書」の作成による学習効果の分析とモデル化、上記の3段階で研究を順次進めることによって、限界集落の地域づくりを目的とした高齢者の学習支援モデルの構築をめざす。 1年目としては、限界集落の高齢者の地域づくり実践量的調査と、基礎文献の収集・整理を中心として、公民館を中心とした地域づくり活動の内容について調査するための基礎的資料の収集と実際の地域自治活動の実態について調査を行っている。具体的には、鹿児島県における地域課題として限界集落における獣害対策問題に公民館を中心とした学習環境を醸成するためのプログラムの構築を各地で行っている。この学習プログラムの目標として掲げいていることは、限界集落の地域課題を地域全体で発見し、その課題に対して、どのように立ち向かってゆくのかについて「話し合い」の場を持ち、学習から得たものを実際行動に移してゆくPDCAサイクルの手法を用いて、それぞれの地域づくりの提言を行ってゆくというものである。特に、この獣害対策問題は、地域住民のジェンダーや職業、行政所管など多くの差異がある課題であり、地域全体で話し合いを行うこの研究課題にとって重要なファクターである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っている獣害対策を地域課題とした限界集落における高齢者の学習プログラムを構築するために、これまで行ってきた地域実践でのアンケート調査を行い、高齢者自身の学習観について検討を行っている。そして、この実践活動を他地域や鹿児島県外や離島で行いながら、高齢者の地域づくりへの学習の醸成を行い、主体的に提言を行うことができるような地域を作ってゆく。 今後の研究では、各地域に対する調査・分析から地域間の差異を見出し、限界集落における高齢者の主体的な学習に関する特異性について検討する。そのために、現在行っている学習活動のプログラムの構造を視覚化し、それぞれの地域で学習プログラムを行うことで分析する。
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Research Products
(2 results)