2021 Fiscal Year Research-status Report
幼児の主体的な学びの質を高める幼児教育モデルの構築
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18K13059
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
中西 さやか 佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (40712906)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 主体的な学び / 子どもの視点 / ビルドゥング(Bildung) / 保育者の応答的かかわり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①子どもが主体的に学ぶプロセスの概念化、②子どもの主体的な学びにおける子どもと保育者の応答的なかかわりの概念化を通して、子どもが学ぶプロセスの質を高めるための幼児教育モデルを構築することを目指すものであった。 2021年度は、乳幼児期の学びを「子どもの側」から捉え直し、子ども自身にとって意味あるものを形成していくプロセスとして概念化し、そのような学びにおける保育者のかかわりについて検討することを目指した。フィールドでの調査の実施が計画通りに進まなかったため、乳幼児期の学びにおける子どもと保育者の応答的なかかわりを具体化するための事例分析の方法を検討することに重点を置く計画に変更した。具体的には、①子どもの声や視点に着目した学びのアセスメントに関する先行研究、②観察データの分析方法に関する先行研究のレビューを行なった。①については、子どものパースペクティブに迫る方法として、モザイクアプローチ、ラーニング・ストーリー、リスニング・ペダゴジーについて検討し、②については、社会的相互作用を描くためのM-GTA、ビルドゥング(Bildung)概念から質的データを読み解くことを目指す「人間形成論的に方向づけられたビオグラフィ研究(BOB)」を取り上げた。 これらの検討を踏まえて、ビルドゥング概念に基づいて乳幼児の観察データと保育者へのインタビューデータを分析することで、学びにおける子どもと保育者の応答的なかかわりを具体化するという今後の方向性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大が続き、当初計画していたフィールドでの事例収集やインタビュー調査が実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる2022年度は、事例分析をとおして、子どもの主体的な学びにおける子どもと保育者の応答的なかかわりを具体化する。事例収集については、新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑み、必要に応じて文献やオンライン等の代替方法を検討する。 最後に、これまでの研究成果を総括し、幼児期の学びの質を高める幼児教育モデルの理論的枠組みを提示する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により、当初の研究計画に変更が生じたため。 2022年度に実施するフィールドでの調査のために使用する計画である。
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