2022 Fiscal Year Research-status Report
幼児の主体的な学びの質を高める幼児教育モデルの構築
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18K13059
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
中西 さやか 佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (40712906)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビルドゥング / 乳幼児期の学び / 観察とドキュメンテーション / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①子どもが主体的に学ぶプロセスの概念化、②子どもの主体的な学びにおける子どもと保育者の応答的なかかわりの概念化を通して、子どもが学ぶプロセスの質を高めるための幼児教育モデルを構築することを目指すものである。 2022年度は、前年度に引き続き、乳幼児期の学びを「子どもの側」から概念化するためにGerd E シェーファーのビルドゥング概念を中心とする検討を行なうとともに、乳幼児期の学びにおける子どもと保育者の応答的なかかわりを概念化するための検討に着手した。具体的には、シェーファーが考案した「経験的観察」(Wahrnehmendes Beobachten)と呼ばれる観察とドキュメンテーションの方法論に着目し、保育者は子どもが学ぶプロセスをどのように解釈し、自らの保育実践につなげていくのかという点を明らかにすることを目指した。その結果、①保育者は、子どもが世界を習得するときに用いる感覚や思考を概念化した「自己形成ポテンシャル」を一つの拠りどころとして、子どもの学びのプロセスを読み解こうとしていること、②「経験的観察」の対象は子どもに限られず、保育者自身の知覚のパターンを認識する必要があると考えられていることが示された。 以上の検討を踏まえて、ビルドゥング概念に基づいて乳幼児の観察データと保育者へのインタビューデータを分析し、学びにおける子どもと保育者の応答的なかかわりを具体化するという今後の方向性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学びにおける子どもと保育者の応答的なかかわりについての検討を開始することができたものの、当初予定していた質的なデータ収集・分析には至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
子どもの観察データと保育者のインタビューデータの質的な分析を行うとともに、本研究全体を総括し子どもが学ぶプロセスの質を高めるための幼児教育モデルを構築する。
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Causes of Carryover |
社会状況により当初の計画通りに研究が進まなかったため。 次年度は質的データ収集・分析や研究成果の公表のために使用する計画である。
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