2021 Fiscal Year Research-status Report
市町村教育予算の規定要因として地方交付税制度に関する研究
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18K13076
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Research Institution | The University of Aizu Junior College Division |
Principal Investigator |
櫻井 直輝 会津大学短期大学部, 幼児教育学科, 講師 (60785385)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自治体予算編成 / 教育振興基本計画 / 量的テキスト分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新型コロナウイルス感染症の拡大状況に鑑みて、訪問調査を差し控え公開されている行政文書を用いた研究を行うこととした。そこで、前期の科研費の調査で行ったアンケートの結果(予算要求時の根拠資料)に基づき、福島県内の各市町村教育振興基本計画を対象に、国教育振興基本計画や県教育振興基本計画との類似性、自治体間の類似性や各自治体の特徴について量的テキスト分析を行うこととした。 その結果明らかになった点は、以下の通りである。。第一に,単語の出現頻度や語彙多様性の面から見て,自治体の教育振興基本計画が特定の形態に収斂しているわけではないということである。第二に,文書間の類似度という点で見た場合に,国教育振興基本計画は三期に亘り高い類似性を示していた。少なくとも言葉の上では2008年以降,国教育振興基本計画の基本的な枠組みやそれが言及する内容には大きな変化がなかった。第三に,市町村計画と国計画,県計画との類似度を見ると,総じて市部において国との類似度が高く,町村部では低くなる傾向が見られた。ただし、この傾向は全ての自治体に当てはまるわけではなく、町村部においても国計画と高い類似性を示すケースが見られた。第四に,今回分析に使用したケースの大半が国第一期計画と最も類似度が高かったことである。これは,各自治体が策定した教育振興基本計画が経路依存性を有している可能性を示唆していると思われる。 今後、より精度の高い分析や他県のデータを含めた分析を行い、中央-地方関係が自治体予算編成にどのような影響を及ぼしているかについて検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大状況に鑑みて、訪問調査を自粛したため当初予定していたインタビュー調査については実施できていない。計画を延長し、2022年度中の訪問調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の分析結果をふまえて、予算要求や予算折衝に際して教育振興基本計画をどのように活用しているかを調査項目に追加する予定である。
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Causes of Carryover |
訪問調査の実施を見送ったため、旅費を使用しなかったことのよる残余金である。次年度は、新型コロナウイルス感染症の状況を勘案しつつ、主として夏以降に調査を実施したいと考えている。調査先については、各県の感染拡大状況や警戒レベルなどを勘案して決定する。
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Research Products
(2 results)