2019 Fiscal Year Research-status Report
グローバル化に対応する「社会に開かれた」幼児教育課程の開発的研究
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18K13078
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Research Institution | Shiga Junior College |
Principal Investigator |
李 霞 (山田霞) 滋賀短期大学, その他部局等, 准教授 (50712030)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会に開かれた教育課程 / 幼児教育 / カリキュラム・マネジメント / 地域の特色を生かしたカリキュラム編成 / 主体的な学び |
Outline of Annual Research Achievements |
多民族国家であるシンガポールは、1965年の独立以降、幼児教育段階から一貫して民族の文化や地域での生活などを意識した教育を多彩な取り組みを通じて展開してきた。こうした伝統は、今日の幼児教育の課程編成において守られ続けている。 本研究は、今日のシンガポールの幼児教育課程政策、とりわけ「Discovery of the World」という領域に対する分析、及びBAMK Kindergartenで実際に展開されている教育活動から、シンガポールの幼児教育課程編成においては「地域資源」の利用に対する構想と実際について調査を行った。 その結果、シンガポールの幼児教育課程編成においては「地域資源」が大いに利用されていることや、この「地域資源」とは、単なる地域にある物的資源だけではなく、人的資源や文化や空間といった資源も含まれていることを明らかにした。 さらに、BAMK Kindergartenでの取り組みから、「Discovery of the World」という領域の学習においては、子どもの保護者といった身近な人的資源が活用されていること、子どもたちが身近な環境について自ら観察し、実際に調査・比較・分析・発表するといった研究や発明を行う際に必要なプロセスを辿る主体的な探究活動が大いに求められていることが、今後、日本における「社会に開かれた教育課程」の推進に有意義な示唆を与える点となることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画通りに、2019年度には、シンガポールにおける就学前教育改革に関する政策の調査・分析を行い、その研究成果を教育目標・評価学会にて発表を行った。また、附属幼稚園の3歳児を対象に策定した教育課程を実施し、途中経過を評価しながら、修正作業を行い、進級に伴い4歳児クラスの教育課程の策定について打ち合わせを行った。 ただ、コロナの関係で、3月初頭に予定していたシンガポールへの渡航が実現できなくなったため、Bethesda (AMK) Kindergarten及び Greene-land Child-care-centerにおける就学前教育課程の編成及びカリキュラム・マネジメントの実態についての継続調査ができなかった。同じくコロナの影響であらゆる活動における自粛が求められる中、附属幼児園における4歳児クラスの教育課程の策定や実施が今のところできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、遅ばせながら、附属幼稚園の3歳児を対象に策定し、実施した教育課程を評価しながら、修正作業を行い、進級に伴い4歳児クラスの教育課程を策定していく。 2021年度及び2022年度には、4歳児クラス・5歳児クラスにて実践調査を継続し、途中経過を評価しながら修正作業を行い、最終成果をまとめることを目指す。 なお、残りの研究期間において、実践調査を行いながら、シンガポールにおける就学前教育改革についての最新動向に注目しつつ、必要に応じて、シンガポールの幼稚園やチャイルドケアセンターといった就学前教育機構に対する現地調査を追加で実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの関係で、予定していたシンガポールでのフィールド調査が実現できなかった。同じくコロナの影響で、国内における関連教育課程編成及びその実施ができなかったため。 2020年度は、遅ばせながら、フィールド調査及び附属幼稚園における教育課程の研究開発を行う。
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Research Products
(1 results)