2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K13079
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Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen Two-Year College |
Principal Investigator |
黒木 貴人 広島文化学園短期大学, その他部局等, 講師 (60736106)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ロシア連邦 / 教育法規 / 教育への権利 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、当初の計画に従いロシア連邦教育法に関する資料収集及び研究を進めるための基礎研究やPCなどのインフラ整備を重点的に行った。 特に、2019年2月23日~3月1日までロシア連邦・モスクワ市のロシア連邦国立図書館及びロシア教育アカデミー付属ウシンスキー図書館にて行った資料収集は、今後の研究の大きな推進力になりうるものとなった。新連邦教育法制定にかかる各種報道や、ロシア連邦成立当初の教育政策に深く関わった人物の論文、2012年成立の新連邦教育法に対して批判的な論を構える論者の各種著作や論稿を入手することができた。 基礎研究の面では、主に次の2点を行った。第1に、1992年に制定された旧ロシア連邦教育法と2012年に改訂・制定された新ロシア連邦教育法を比較検討した。連邦市民に対する「教育への権利」を保障するための教育政策、という位置づけは、両法に通底する根本的な理念である。一方で、教育行政機関や各種教育機関のみならず、教育を受ける主体である学習者及びその保護者に対しても教育にかかる「義務」や「責任」を強調する傾向性が強まっていることが浮き彫りとなった。第2に、新ロシア連邦教育法の改正動向を整理した。2012年の成立から現在に至るまでに、同法は50回以上大小の改正がなされている。2014年にクリミアがロシア連邦へ編入されたが、それに伴う各種改正もなされており、政治的な動向の関わりも看て取ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地での資料収集は、図書館司書の支援もあり、貴重な資料を入手することができた。それらを分析・考察する中で、新たな資料を入手する必要性も生じたが、次年度の調査の中で補填したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、第1年次の成果を踏まえつつ、当初の計画に従い以下のように研究を進める。 1)ロシア連邦教育法の改正過程に関する分析:50回以上に及ぶ改正の中でも、特にポイントとなる部分を抽出し、その前後に関する政治的議論や各種報道などに関する分析を進める。 2)ロシア連邦教育法の現代的意義に関する分析:前年度入手した資料の中で、新連邦教育法に関わってキーマンとなる人物を何人か見出すことができた。それらの人物への訪問調査を行っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
ロシアでの現地調査にかかる費用が当初予定よりも低額に抑えられたため。 次年度は研究計画に従い、再度ロシアでの現地調査を行う予定である。関係者への訪問調査も行うこともあり、前年度以上に費用が掛かると思われるため、計画的に使用したい。
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Research Products
(1 results)