2018 Fiscal Year Research-status Report
戦時下日本の高等教育機関における「文化交流」の教育的機能に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18K13081
|
Research Institution | Nagasaki Women's Junior College |
Principal Investigator |
山本 尚史 長崎女子短期大学, その他部局等, 講師(移行) (90767542)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 大学史 / 学生 / 文化交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題に照らし、①戦前の高等教育機関で「文化交流」を担った団体に関する研究、②戦前の学生による「文化」の認識について、高等教育機関 がどのように把握しようとしたのか、という観点に立つものの2つについて検証を進めている。本年は主に、これまでに執筆した論文を補強する史料、文献の入手に努めた。 先に記した①、②について、現段階で把握可能だと考えられる大学・機関について、計画書に挙げていたり東北大学に加え、研究を進め、文献調査を行う中で、先取りして新潟大学での史料調査・聞き取りを実施した。また、帝国大学、旧制官立大学が存在した九州大学、金沢大学においても各大学アーカイブが有する史料に、これまでの研究を補強する史料がないか、また新たな視点を得られる史料がないかを考慮して調査を実施することとした。いずれの機関においても本研究課題を推進する上での基礎的な史料(校友会雑誌、新聞記事等)の発掘を行うことができた。 また、研究を進める中で、調査機関における教職員との情報交換を積極的に行うことができた。各大学が有する地域との関係で得られる知見・ネットワークの構築に努められたことが今後の研究活動に十分貢献できると考えている。 加えて、近年出版された最新の研究図書もそろえることが可能であった。そのため、研究計画段階では着目できなかった研究領域・分野へも関心を広げることが可能となった。入手した研究図書の執筆者とは所属学会で意見交換を行うことができ、こうした点も研究推進に努められたことだと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題がスタートしてから、勤務校の異動が決定した。教職課程再課程認定等の手続きもあり、本務校等での業務が増大することとなった。その結果、研究の遅滞が生じたと考えている。しかし、そのような事態が生じたことから、次年度に取り組む調査について前倒しを実施したり、対象をあらかじめ広げることで研究を進めた結果、調査自体は順調に進んだ部分もある。そのため「やや遅れている」とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、平成31年度中に収集した史料について分析を行っている途中であるため、分析を進める。見通しだが、新たな知見を得ることができているため、次年度では論文を執筆し、学会等での発表を行い、研究成果の公開に努めたい。
|