2018 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本における外国人学校の公的保障に関する史的研究ー行政主体の輻輳性に着目して
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18K13083
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Research Institution | Kyoto Human Rights Research Institute |
Principal Investigator |
呉 永鎬 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 専任研究員 (00781163)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 各種学校認可 / 公立朝鮮学校 / 外国人学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な外国人学校に対する公的保障のあり様を比較検討するために、2018年度においては、研究蓄積および当事者による整理が比較的なされている朝鮮学校の各種学校認可取得過程および公的補助に関する調査に注力した。当初の計画通り神奈川および大阪における先行研究、当事者による記録や整理、公文書等を収集・整理し、一定の輪郭を掴むことができた。 他方、複数の外国人学校がある兵庫県に関しても、公文書調査、関係者への聞き取り調査を行った。とくに尼崎市内に5つ開設された公立の朝鮮学校に関し、多くの事実を明らかにすることができた。その一部を、2018年9月の教育史学会第60回大会にて発表した。また調査の過程で、これまで先行研究の蓄積が一切ない高砂市の公立朝鮮学校に関する資料を発掘し、さらに、発足当初の兵庫県外国人学校協議会にて事務局長を務めた人物とつながることができた。前事務局長の協力のもと、兵庫県に関しても調査を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公文書調査、当事者が整理した記録、関係者への聞き取り調査等、当初計画した調査は滞りなく実施できている。聞き取り調査に関しては、50~60年代に中心的な役割を担っていた方でなくては行政との交渉の具体相は分からない。そのため高齢の方が多く、聞き取り調査を予定していたうち1名が亡くなられた。こうした状況を踏まえ、聞き取り調査を優先的に行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究を踏まえ、2019年度においては、大阪府下の韓国学校、中華学校の各種学校認可取得過程と、府ならびに市や区からの補助金の交付に至る経緯を明らかにするための調査を実施する。引き続き、公文書館所蔵資料を検索しつつ、必要に応じて学校への訪問調査、関係者へのインタビュー調査を行う。 あわせて神奈川県下の中華学校、ドイツ学校、インターナショナルスクールへの調査を開始するための準備を整える。2020年度以降は、外務省関連の資料を調査する。
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