2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K13090
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
盛満 弥生 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (20627666)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 家庭訪問 / 教師 / 子どもの貧困 / 働き方改革 / 個人情報の保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、子どもの貧困対策において学校の行事としての「家庭訪問」が果たす意義と役割について、教師へのアンケート調査およびインタビュー調査を通して実証的に把握することである。 子どもの貧困対策の拠点として期待が寄せられる「学校」は、子どもの貧困の発見機能を有しているという意味でも、重要な役割を担っている。教師が子どもの生活現実に気づく場面は様々であるが、家庭訪問はその重要なきっかけの一つになる。ただ、近年、教師の多忙化や個人情報保護が強調される中で、全国的に家庭訪問が廃止・縮小される傾向にある。学校・教師が子どもの貧困対策に取り組んでいく上で、長年積み重ねられてきた「家庭訪問」という教育実践を改めて見直し、その意義を検討することは非常に重要であると考える。本研究は、以下の3つの作業から成り立つ。 (a)学校教育における家庭訪問の位置づけについての先行研究や既存データを整理・検討する。 (b)公立小中学校教師に対するアンケート調査を行い、家庭訪問の実施状況や家庭訪問を行う際の配慮事項、生活背景の理解への影響等について検討する。 (c)公立小中学校教師へのインタビュー調査から、家庭訪問の位置づけの地域性や世代的相違を検討しつつ、子ども・保護者理解への影響について考察する。 2018年度は(a)の作業を中心に進め、教員の家庭訪問に関する資料を収集・閲読し、アンケート調査に向けた仮説の生成や質問項目の作成を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」に挙げた(a)の先行研究の整理、理論的枠組みの検討については概ね順調に進行したが、当初計画では2018年度完成予定であった調査票完成に想定以上の時間を要したため、(b)(c)に挙げた、公立小中学校教員へのアンケート調査及びインタビュー調査には着手できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度は2018年度の研究成果を踏まえ、アンケート調査及びインタビュー調査を実施し、調査データの分析を進めるとともに、初年度に入手することができていなかった不足分の資料や新たに刊行された資料の収集・整理を行い、追加の資料分析を行う予定である。また、研究成果について学会報告を行うなど、研究成果の社会への発信に努めたい。
|
Causes of Carryover |
資料の収集や整理、インタビューデータのテープ起こし等の研究補助を行う大学院生を雇う予定で人件費を計上していたが、2018年度は資料の収集や整理は研究代表者が単独で行い、アンケート調査・インタビュー調査は実施しなかったため、人件費が生じなかった。 次年度使用額として残った予算は、2019年度に研究補助を雇う費用として使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)