2019 Fiscal Year Research-status Report
Creating Ibasho and Empowering Immigrant Youth: Using Community-Based Participatory Research
| Project/Area Number |
18K13094
|
|---|
| Research Institution | University of Tsukuba |
|---|
Principal Investigator |
徳永 智子 筑波大学, 人間系, 助教 (60751287)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | 居場所 / 教育支援 / 移民 / 参加型アクションリサーチ / 日米比較 / エンパワメント |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、参加型アクションリサーチのアプローチを用いて、日本とアメリカの地域コミュニティで移民の若者支援を行う人々と協働し、教育支援の有り様を検討し、実践の改善を目指すとともに、今後さらに発展が望まれる地域による教育支援のあり方への示唆を提供することである。2019年度は、主に理論・先行研究の検討をし、参加型アクションリサーチを実施し、研究成果を発表した。
１．理論・先行研究の検討：移民の教育支援や参加型アクションリサーチ（PAR）に関連する理論・先行研究を幅広く検討し、整理・考察した。PARは、方法論を超えた視点・指向・アプローチであり、社会科学の伝統への認識論的な挑戦を迫るものである。国内の教育臨床社会学の議論とどう接続可能かなど、関連領域の文献・論文を幅広く読み、考察を深めた。
２．日米における参加型アクションリサーチ：日本では、前年度に引き続き、高校とNPOと協働して多文化の若者の居場所づくり・エンパワメントの実践に取り組み（大学の授業にサービスラーニングを取り入れつつ）、現状の分析やふりかえりを循環的に行った。また夏季休暇の時期に、アメリカ東海岸の都市を訪問し、移民の若者を支援するNPOと大学のスタッフ、若者などにインタビューを行った。特に、移民背景をもつ学生を多く受け入れている大学がどのように他大学やNPOなどと協働し、ストレングス・アプローチに基づく学生支援を行っているのかを中心に調査し、今後の協働の可能性を探った。
３．研究成果の発表：参加型アクションリサーチを行う研究者の立ち位置や協働のあり様など、これまでの研究・実践から生み出された視点や課題を中心に国内外の学会で発表し、研究者・実践者との共著論文の執筆を進めた。また、より大きいプロジェクトにつなげるためにも、多様な教育アクター（行政、学校、NPOなど）とのネットワークづくり・情報交換も積極的に行った。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
参加型アクションリサーチや移民の教育支援に関する理論・先行研究の検討を深めつつ、日本の高校・NPOと協働して、移民の若者の居場所づくりやエンパワメントに関する実践・研究を進め、国内外の学会発表や論文の執筆も進めることができた。
|
| Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、日米で参加型アクションリサーチ（PAR）を継続するのは困難になることが予想される。その場合、日本ではNPOや高校と協働し、オンラインで実態調査を行い、オンラインの移民若者の教育支援プログラムを作るなど、柔軟に対応する。また、アメリカでフィールドワークを行っているNPOや大学ともオンラインでつながり、緊急時の移民の教育支援のあり方などについて情報交換等し、協働を深めたい。
引き続き、アクションリサーチや移民の教育支援に関連する理論・先行研究を検討し、これまでのPARの過程をふりかえり、研究成果の発表にも力を入れる。特に、移民の教育支援におけるPARの可能性と課題について理論・実践の両面から考察する。実践者と協働して報告書・論文・ウェブサイト等で発表し、国内外の学会発表や論文の執筆も進める。
|
| Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、春期休暇中に予定していたアメリカでの調査を取りやめたため、次年度使用額が生じている。収束状況を見つつ、アメリカでの調査を行い、国際学会での発表の旅費として使用する。
|
Research Products
(8 results)
