2018 Fiscal Year Research-status Report
胎児・新生児期の生体リズム評価による自閉スペクトラム症の病態解明
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18K13108
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小坂 拓也 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (90792101)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 睡眠障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は研究計画B)の「ASD(自閉スペクトラム症)における睡眠障害の実態調査研究」を中心に研究を実施した。幼児期のASD児23名、定型発達児22名のリクルートが完了しており、アクチグラフによる日中夜間の生体リズム評価、唾液検体によるメラトニン・コルチゾールの測定、睡眠に関する質問紙表、感覚プロフィール、発達評価、また養育環境、睡眠環境の聴取を行っており、ASD群と定型発達群でのデータ解析を実施している。データ収集にあたってはトラブルなく安全に遂行できている。データ解析はアクチグラフの解析をメインに実施しており、夜間の体動量、また入眠から起床までの体動リズムの変化、入眠前後の体動リズム、覚醒前後の体動リズムに着目している。アクチグラフで得た2群間での違いを、睡眠に関する質問紙、感覚プロフィールの特定の項目と相関がないか、また唾液中のメラトニン、コルチゾールとの関連がないかについて検討を予定している。研究の計画、実践、評価、解析については、研究協力者と定期的にミーテイングを行い、問題点の抽出やアドバイスを得ている。研究B)の成果によりASD児と定型発達児の睡眠リズムの違いを実証することで、本研究の最終目標であるASDの早期発見、早期介入法の確立につながると考えている。 また調査研究として平成30年5月31日-6月2日に千葉県で開催された日本小児神経学会に出席し、小児期の睡眠を専門としている研究者と情報交換を行い、新たな知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究B)「ASD(自閉スペクトラム症)における睡眠障害の実態調査研究」に関しては計画通りに実施できている。研究A)、C)については実施の計画の段階のみで、実施はできていない。研究B)で実施した方法、また成果をもとに実施計画を立てて、進めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以降は、研究B)で収集したデータの解析を進め、幼児期ASDと定型発達児の2群間の睡眠生体リズムの違いを明らかにする。また研究B)が進捗しているため、その分のエフォートをA)やC)の研究にシフトさせ、進めていきたいと考えている。また得られた研究成果は今年度学会で報告を予定している。
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Causes of Carryover |
A)、C)の研究に関するリクルートが進んでおらず、その分の協力謝金の分、また唾液検体でのコルチゾール、メラトニン測定用の試薬分が使用できていないため、次年度使用額が生じた。次年度の使用計画としては研究謝金、試薬類、調査広告費、プラスチック器具、旅費に使用予定である。
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Research Products
(3 results)