2020 Fiscal Year Research-status Report
胎児・新生児期の生体リズム評価による自閉スペクトラム症の病態解明
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18K13108
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小坂 拓也 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (90792101)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 睡眠障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は主に研究計画B)の「ASD(自閉スペクトラム症)における睡眠障害の実態調査研究」を進めた。リクルートした児の中でデータが得られたASDの幼児20名、定型発達の幼児20名について、腕時計型の体動計であるアクチグラフによる日中と夜間の生体リズム、睡眠に関する質問紙(こどもの眠り質問票)、感覚プロファイルにより得たデータを解析した。アクチグラフの解析は専用のソフトウェアを用いて行い、統計解析についてはSPSSを用いて行い、様々な観点から行った。研究の計画、実践、評価、解析については、研究協力者と定期的にミーテイングを行い、問題点の抽出やアドバイスを得ている。 その結果、ASD児の入眠後の体動が感覚特性(前庭覚低閾値、口腔感覚低閾値)と相関関係にある結果を得た。また重回帰分析にて、入眠中体動に対して、感覚特性が他の因子と比較して影響度が高い結果が得られた。本研究により幼児期のASD児における感覚特性が入眠中の体動に関与している可能性が示唆された。ASDの原因や病態は不明な点が多く、行動特性の改善につながる有効な介入法は乏しいことが現状である。本研究で得られた知見は、幼児期のASD児への支援、介入に非常に有益なものであると考えられる。得られた結果については論文化し、Brain and Developmentに掲載された。また、2020年8月18日-20日にWeb開催された第62回日本小児神経学会学術集会にて、研究成果を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は研究B)「ASD(自閉スペクトラム症)における睡眠障害の実態調査研究」に関して解析、論文作成、投稿を進め、計画通りに実施できている。研究A)、C)については研究B)で実施した方法、また成果をもとに実施を進めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究A)、C)については実施を進めていく。また本研究で得られた成果については学会等で報告を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、研究のリクルートが計画通り進行しなかったため、また学会が延期、またはWeb開催となったためである。次年度の使用計画としては研究謝金、試薬類、調査広告費、プラスチック器具、旅費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)