2019 Fiscal Year Research-status Report
子どもの権利擁護機関の設置構想:子どもの声を反映させる政策改善過程分析を通じて
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18K13113
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
畑 千鶴乃 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (60550944)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子どもアドボカシー / 子ども・ユース当事者 / 人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年5月1日にオンタリオ州子どもアドボカシー事務所(以下、オフィス)が閉鎖されたことを受け、本研究計画の大幅修正を図った。9月にオンタリオ州へ再訪し、オフィス元所長とオンタリオ州での子どもアドボカシーシステム再構築の方向性を議論した。またオフィス閉鎖を受けて、一部業務を引き継いだオンタリオ州オンブズマン事務所へ訪問し、児童福祉サービスに対するオンブズマン事務所の役割を把握した。さらにオフィス閉鎖を受けて立ち上がった当事者ユースのグループ代表へ訪問し、公的なアドボカシーシステムが無くなったことを受けて、当事者で行うアドボカシーの萌芽を把握した。昨年度に引き続き、ライアソン大学コミュニティサービス学部The School of Child &Youth Careでの取り組みの動向と、研究・教育における国際共同の方向性を共有した。 次に、BC州Representative for Children and Youthへ訪問し、個別アドボカシーの手順や過程を詳細に把握した。ネイティブの子どもやユースグループへのアドボカシーや、アドボカシーの検証チームが存在することから、今後、包括的な子どもアドボカシ-の具体的実践についてさらに詳細に把握する課題を捉えた。子どもアドボカシーを担う人材育成については、ビクトリア大学The School of Child &Youth Careの学部4年間のカリキュラムを把握することができた。研究科長・学科長双方と研究代表者との学術交流協定を交わす方向性を共有することができた。またFederation of BC Youth in Care Networkへ訪問し、当事者が立ち上げる子どもやユースへの支援、アドボカシーの具体的実践を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2019年5月1日にオンタリオ州子どもアドボカシー事務所(以下、オフィス)が閉鎖されたことを受け本研究計画の大幅修正を図ったが、結果的に、オフィスのこれまでの実践の総括をすることができ、且つ、オフィスが抱えていた課題を明瞭にすることができた。その点を把握することで、日本が子どもアドボカシーシステムを構築する際に生かすことができる。 今年度の研究成果の総括として、子どもアドボカシーシステムの構築・再構築が求められるオンタリオ州および日本各都道府県におけるシステムを作っていく際に、オンタリオ州の子どもアドボカシーの再構築を求める当事者ユースグループと共有・交流を行いながら子ども・ユースを中心としたシステムを模索する国際共同体制を構築することができた。 次年度はさらにオンタリオ州・BC州ともに当事者グループと共に、日本が子どもアドボカシーシステムを立ち上げる際の手順を確認する研究を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はさらにオンタリオ州・BC州双方の当事者グループと共に、日本が子どもアドボカシーシステムを立ち上げる際の手順を確認する研究を進めていく。さらに、①個別アドボカシー ②システムアドボカシー ③コミュニティ・ディベロップメントの概要はおおかた把握できたが、それ以外のアドボカシーシステムが行っている役割も把握したことから、業務全体についてさらに把握することが必要である。子どもアドボカシーシステムの全貌を把握してそれぞれの業務の位置付け方、繋がり方を把握することが次年度の最も重要な研究課題として捉え、その解明に努める。
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Research Products
(3 results)