2020 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児期・小児期におけるITツールの使用による発達への影響
Project/Area Number |
18K13119
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 沙耶香 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40723002)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 子どもの視線 |
Outline of Annual Research Achievements |
2歳未満の子どもへのメディアツールの使用が、幼児期の子どもの発達についてどのような影響をもたらすかを調査するために、子どもの発達状況を二つの指標を用いた。一つ目は社会性発達評価装置(Gazefinder)を使用した視線および注視時間の計測である。 子どもの発達状況の統計を実施するため、子どもの発達状況の調査を行った。6歳児の子供をもつ250組親子(欠測:子ども2名、成人3名)に社会性発達評価装置(Gazefinder)を使用して、視線の計測を行った。すでに、自閉症スペクトラム(以下ASD)の児および青年においては、定型発達の群(以下TD)と視線が異なっていること、また年齢が異なるごとに注視する傾向が異なることが明らかとなっている。今回の結果は親子で関連があるかどうかの検討を行うためには重要のあ調査であると考えられる。今後この結果を解析し、親子関連があるかどうかの解析を行う。 二つ目は、PVT-R絵画語彙発達検査を使用した語彙力の測定である。本検査を247名に実施した。これは、メディアツールを使用している子どもたちの語彙力がどれぐらい発達しているかを調査したものである。ASDにおいてはTDと比べて差はないと報告があるため、ASDによる影響は受けないと考えられる。 今後2歳時点でのメディアツールの使用状況を確認、生活環境や母親の年齢、世帯年収など交絡因子を検討したうえで、できる限りメディアツールそのものの影響を明らかにしたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
指標のためのデータ収集がすべて終了した。今後は解析を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、得られたデータに基づき解析を行う予定である。 1.乳児期のメディアツールの使用状況の統計:「子どもの健康と環境に関する全国調査」の結果を用いて、乳児期のメディアツールの使用状況を明らかにする。そして、乳児期のメディアツールの使用状況について母親の年齢、世帯年収、学歴、母親のメディアツールの使用状況との関連の有無を明らかにする。 2.子どもの発達状況の統計: すでに収集している結果から子どもの発達状況を明らかにする。そして、子どもの発達と基礎疾患の有無、母親の年齢、同胞の有無について関連の有無を明らかにする。また、実際に親および子どもと面接を行い、子どもに質問票を使用して語彙力、自閉症スペクトラム障害について評価を行う。また、社会性発達評価装置(Gazefinder)を使用し、得られたデータから、子どもの環境・遺伝要因について推察する。 3.子どものメディアツールの使用状況と社会発達性の関係について:子どものメディアツールの使用状況と発達状況、および自閉症スペクトル障害の関連を上記、1.2で得られた結果をもとに交絡因子を考慮した解析を行う。
|
Causes of Carryover |
コロナウィルス感染症のため旅費が使用できず、学会参加が見送られている。今後、解析および論文投稿などの費用として使用予定である。
|
Research Products
(1 results)