2019 Fiscal Year Research-status Report
子育て支援における倫理的意思決定モデルの開発に関する研究
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18K13121
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| Research Institution | Jumonji University |
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Principal Investigator |
亀崎 美沙子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (60459592)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 子育て支援 / 葛藤 / 保育者 / 専門職倫理 / 意識パターン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①子育て支援における葛藤パターンの解明、②倫理的意思決定モデルの作成の2点であり、2019年度は、主に①に関する以下の検討を行った。
1．子育て支援における保育者の専門職倫理の検討
子育て支援における保育者の専門職倫理を明らかにするために、「保育所保育指針」と「全国保育士会倫理綱領」「社会福祉士の行動規範」「全米乳幼児教育協会倫理綱領」との比較検討を行った。その結果、「保育所保育指針」から、「子どもに対する倫理責任」および「保護者に対する倫理責任」を各8項目抽出した。これらは、葛藤の解決に向けて、倫理的判断を行うための判断基準となるものであり、子育て支援において葛藤が生じた際、これらの倫理責任を参照することによって、保育者が子どもおよび保護者に対して、どのような職務上の責任があり、それぞれに対して何をすべきかを明らかにすることが可能となる点に、本研究の意義がある。
2．保育者の子育て支援の意識パターンの検討
（１）子育て支援における保育者の意識パターンと葛藤：2018年度に実施したアンケート調査結果の統計的分析を行った結果、子育て支援の意識には保育士の職務内容や職務経験、知識といった個人特性と、組織風土や施設規模といった組織特性が関連していることが明らかとなった。一方、意識パターンと「葛藤頻度」との間には、有意な差は見られなかった。
（２）意識パターンによる葛藤の質的特徴の検討：子育て支援の意識パターンによる葛藤の質的特徴を明らかにするために、葛藤事例に関する自由記述データ156件の計量テキスト分析を行った。その結果、パターンAおよびパターンBはいずれも「子どもの発達上の課題」に対する「保護者への対応」、パターンCは「子どもの発達上の課題」に対する「子どもの対応」、パターンDは「保育の受け入れ」が、各パターンの葛藤の質的な特徴であることが明らかとなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケート調査結果の分析は、一部、再分析が必要と思われる部分もあるが、順調に進んでいる。
一方で、倫理的意思決定モデルの作成のために、保育所等へのインタビュー調査を2020年2月～6月に実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、実施の目処が立っていない状況である。
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| Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査の分析結果からは、子育て支援の意識パターン間に「葛藤頻度」の有意な差は認められなかった。しかし、「葛藤事例」の自由記述データからは、保育者がとらえた葛藤には、本研究の定義する葛藤以外にも、保育者自身の悩みや、子どものための願い、問題意識等に関する記述が混在していると考えられた。
そこで、2020年度は、「葛藤事例」に関する自由記述データの詳細な分析を行い、葛藤タイプを類型化した上で、これらの葛藤タイプと子育て支援の意識との関連を検討する。
さらに、新型コロナウイルス感染症により、今後もインタビューの実施が困難であると考えられた場合には、インタビュー調査に代えて、他の専門職の倫理的意思決定モデルを援用し、子育て支援における葛藤の解決モデルの提示を試みる。
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| Causes of Carryover |
インタビュー調査を実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により実施することができなかった。そのため、保育所におけるインタビュー調査費用を使用することができず、次年度使用額が生じた。
次年度以降、新型コロナウイルス感染症が収束し、調査の実施が可能となった場合には、次年度調査費用に充てる予定である。また、調査実施が困難な場合は、インタビュー調査に代わる方法として、他の専門職の倫理的意思決定モデルを手がかりに葛藤の解決モデルの作成に取り組み、インタビュー調査費用は、これらの文献購入費用に充当する。
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Research Products
(4 results)
