2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on consciousness and wisdom of the parents to give at the life time of the young child
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18K13128
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
泉 秀生 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (40633920)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 保育園 / 幼稚園 / 幼児 / 保護者 / 生活時間 / 就寝時刻 / 生活リズム / 遅寝 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年6月に、東京都の保育園13園に通う0~6歳児868人(男児438人,女児430人)の保護者に対して、乳幼児とその保護者の生活習慣の実態に関する調査を、無記名自記式質問紙を用いて実施した。その結果、(1)幼児の平均就寝時刻が21時30分前後と遅く、9時間30分を下回る短時間睡眠であった。(2)「園への迎え時刻」や「帰宅時刻」、「入浴時刻」の遅れが、子どもたちの生活を夜型化にしている可能性が懸念された。(3)わが子の就寝時刻を「決めている」保護者は389名(52.6%)、「だいたい決めている」が302名(40.9%)、「あまり決めていない」が30名(4.1%)、「決めていない」が7名(0.9%)であった。(4)わが子の就寝時刻を「21時以前」と早めの時刻に設定している保護者の子どもは、迎え時刻や帰宅時刻、入浴時刻、就寝時刻が有意に早く、睡眠時間が有意に長かった(p<0.001)。(5)20.0%程度の子どもが帰宅後もしくは帰宅途中に外あそびをしていた。 これらの結果から、子どもが21時までに就寝できるような環境の設定や保護者の理解の必要性がうかがえたため、保育園乳幼児の家庭では、子どもの規則正しい生活のための知識や理論の普及と、親の意識を高める必要性が求められた。さらに、幼児期の生活を整えるためには、母親自身の生活時間も整える必要があることが考えられた。また、保育園の活動において、午前と午後の外あそびを積極的にとり入れ、身体活動による適度な疲労感を子どもたちにもたせることと、降園後には、各家庭で21 時前就寝を目指した生活を呼びかけたい。 上記した調査結果の学会発表と合わせて、「規則正しい生活をおくる子どものモデルケースの創出」「家庭でできる早寝のための工夫集の作成」「子どもの生活を乱す注意点や事例をまとめたリーフレットの作成」に向けたデータおよび論文の作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目の研究の成果としては、まず、当初予定していた「保育園児の生活習慣の実態と生活の工夫」に関する調査については、その前年度から手掛けてきたために無事に遂行した。具体的には、東京都内の保育園13園に通う1,000名程度の幼児の生活習慣のアンケート調査を実施し、830名程度のデータを得た。これらのアンケートについては、既にエクセルデータとして入力を終了し、図や表にその平均値や標準偏差、人数割合などの結果を算出して可視化し、見やすい形で調査協力園にフィードバックしている。また、同様の内容のアンケート調査を、東京都内の8園の幼稚園についても実施し、1,000名程度の生活実態に関する調査結果を得ている。これらのデータについても、入力を終え、既に図表化して、調査協力園にフィードバックできている。 上記の2つの調査で得られた保育園と幼稚園のデータについては分析も進めており、2018年度に開催された6つの学会大会にてその研究成果を発表している。2019年度においても、すでに2つの学会大会にて、研究成果の発表が決定している。 2年目に実施すべき内容は、「規則正しい生活をおくる子どものモデルケースの創出」ならびに、「家庭でできる早寝のための工夫集の作成」および、「子どもの生活を乱す注意点や事例をまとめたリーフレットの作成」を進めていくことである。現状、データ入力や図表作成ならびに、2019年度前期の講義や他の業務で多忙を極めているため、予定より3か月程度遅れることが懸念されるが、夏季休暇中に巻き返せるように予定を調査しているため問題はないものと考えている。これらのモデルケース・工夫集・リーフレットをもとにして、2019年度の後半には、介入研究をしようと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策については、まず、当初の予定では昨年度(2018年度)に終了予定の、「規則正しい生活をおくる子どものモデルケースの創出」ならびに、「家庭でできる早寝のための工夫集の作成」および、「子どもの生活を乱す注意点や事例をまとめたリーフレットの作成」を早急に進めていきたいと考えている。具体的なスケジュールとしては、2019年度の9月中旬には作成する予定である。 次に、介入研究については、9月~10月に準備をし、11月中の実施を目指している。生活のリズムが乱れがちな夏季休業期間ならびにお盆の時期を避け、また、運動会シーズンである10月を避けたいと考えている。さらに、生活のリズムが確立していないことが考えられ、かつ、生活時間を遅らせる誘因となりうるテレビやスマートフォン等に比較的、慣れ、親しみ過ぎていない2歳児未満を対象としようと考えている。 2019年度は、前期に講義や業務が集中しているため、前期終了後の8月上旬からは研究に取り組める予定である。それまでに、モデルケースや工夫集、リーフレットの土台となる知見を、1年目で得られたデータから導き、わかりやすい形で示したい。 当初の予定より、やや遅れているが、3年目の最終年では、この遅れを取り戻せるように今のうちから努力を重ねていきたい。
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Causes of Carryover |
科学研究費の申請時点で、初年度に購入予定であったアンケート読み取り機器である「OCR」について、採択時点では費用が削減され、購入できなかったため手入力でアンケートの読み取りを実施した。 当初予定していた、「OCR」購入用の費用に関しては、データ入力用のPC購入ならびに、その他の研究費(旅費や論文投稿費、人件費など)に充足したいと考えている。
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Research Products
(9 results)