2019 Fiscal Year Research-status Report
保育者の気づきに関する認知学習研修プログラムの効果
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18K13131
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
水落 洋志 東海学園大学, 教育学部, 准教授 (80634013)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 保育者の気づき / 体験学習 / VR |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究結果として,保育者の保育経験年数によって保育場面観察時における視線行動や情報抽出に差異が生じることが明らかとされた。そこで,自己が保育場面観察時に見ている視点の振り返りと保育熟達者が保育場面観察時に見ている箇所や情報を体験できる気づきの認知学習研修プログラムの作成を試みた。さらに,振り返りや体験といった点についてこれまでは,2次元の映像や事例を用いた研修をすることが多いが,より,現実場面に近い形で,且つ,自己や他者が見ていた視点等を何度も振り返ることが可能なヴァーチャル・リアリティ(以下,VR)を用いた研究を実施した。その結果,自己や他者が見ていた視点を現実場面に近い形で体験でき,何度も振り返ることやそれを他者と共有することで,新たな気づきの構築に繋がることが示唆された。 今後は,より,保育者のVR観察時におけるデータの収集と実験映像作成のため,保育現場と共同する予定ある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の結果から,当初,2次元の認知学習研修映像の作成を行っていたが,より,学習促進の効果が見込まれるVRを用いた調査へ切り替えたため,若干,時間を要した。また,調査予定であった保育現場と調査時期の日程に折り合いがつかず(感染症等の関係により),時期を見送っていたことも要因の1つである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,より多くのデータや映像作成を実施する。また,VRは携帯端末などで簡易的に体験できるため,オンラインでの認知学習研修プログラムも作成可能か検討していく。そのために,可能であれば,保育現場における研修をオンラインで実施しているニュージーランドの研究者と共同し,調査を実施できればと考えている。そのため,データや映像を増やし,認知学習研修プログラムの精度を高め,妥当性を検討していきたい。 また,これらの結果を国内外の学会や論文投稿に繋げる予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は2点ある。1点目は,当初予定されていた2次元の映像を用いた認知学習研修プログラムを作成していたが,より効果性が高いことが見込まれるVRを用いた認知学習研修プログラムの開発に着手したからである。もう1点は,調査園との調整がつかず(感染症の関係等),実験が若干,滞ったからである。今年度は保育者への実験や園へ出向き映像の作成,調査する予定である。しかしながら,現状,感染症の関係により,調査等が困難な場合は,オンラインシステムを用いて実施できないか模索中である。
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Research Products
(3 results)