2018 Fiscal Year Research-status Report
幼児における身体活動量の「置き換え」効果を用いた健康づくりプログラムの有効性
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18K13132
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
米野 吉則 兵庫大学, 健康科学部, 講師 (00711566)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 幼児 / 身体活動量 / 置き換え効果 / 座位行動 / 運動習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幼児における身体活動量の「置き換え」による効果の推定を用いて運動習慣の獲得を目指した健康づくりプログラムを作成し、その有効性を明らかにするものである。運動疫学的アプローチとして有用とされるISモデルによる統計解析を用いることで身体活動レベルの「置き換え」による運動能力、生活リズム等の推定値を算出することが可能となる。その推定値を身体活動指標の理由づけに活用することは、運動習慣の獲得を目指した行動変容に有用であると考える。初年度は、幼児の身体活動量におけて、座位行動(テレビ視聴など)を静的な遊び(生活活動)や動的な遊び(歩・走活動)に置き換えた際に、運動能力、足型、生活リズム、メンタルヘルス、親の育児ストレスに及ぼす効果を検証することを目的とした。 初年度は、4~6歳の幼児129名を対象に2週間連続(入浴、就寝以外)で加速度計を用いて身体活動量を測定した。加速度計はオムロン社製Active style Proを使用し、平日と休日含め10日間測定した。また関連要因項目として運動能力測定(20m走、テニスボール投げ、立ち幅跳び、握力)、足型測定、生活リズム(腋窩体温、皮膚温7箇所、睡眠時間等の質問紙)、幼児のメンタルヘルス(THI幼児改変)、親の育児ストレス(育児不安尺度)についても測定および質問紙調査を実施した。 身体活動量、運動能力測定等の電子データ化やID付与、匿名化等のデータ整理作業を進め、全てのデータ入力は完了した。今後は、分析にSPSSを利用し、統計解析を行ない、身体活動量の「置き換え」による効果の解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の調査実施期間は9~10月を予定していたが、調査対象の協力園の予定により12月まで調査がかかってしまった。そのため、分析等の作業も3か月ほど遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
身体活動量の「置き換え」による運動能力、足型、生活リズム、メンタルヘルス、親の育児ストレスに及ぼす効果の解析を進め、運動習慣の獲得を目指した健康プログラムを作成する。健康づくりプログラムは4回程度の介入研究を予定し、2019年11月~2020年10月の1年間を介入期間とする。なお、介入期間は対象児の協力園の保育・教育課程を鑑みながら検討する。介入方法は、介入ごとに1週間連続した加速度計の測定を行い、その結果をもとに更新された身体活動指標を継続的に提示する。提示例は『テレビ視聴時間 60 分を公園での外遊びに置き換えると、立ち幅跳びが16㎝高値を、体脂肪率が4.0% 低値を示します』といった具体的な推定値と身体活動指標を個別に提示し、1年間継続的な介入プログラムを作成する。プログラム前後には、介入群と対象群ともに1年目と同様の測定を実施、比較分析し、プログラムに有効かどうかを検証する。対象は介入群と対象群それぞれ4~5歳の幼児30名程度を予定している。
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Causes of Carryover |
前倒し請求(20万円)を実施している。そのため、次年度使用額は本来、次年度に使用する予定の金額である。使用計画は、活動量計の追加購入、調査補助やデータ入力に係る人件費を調整し、予定通り実施する。
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