2019 Fiscal Year Research-status Report
地域子育て支援事業の役割に注目した養育者向け予防的援助要請促進プログラムの開発
Project/Area Number |
18K13141
|
Research Institution | Shikoku University Junior College |
Principal Investigator |
姫田 知子 四国大学短期大学部, その他部局等, 講師 (30612056)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 子育て支援 / ペアレンティングプログラム / 地域子育て支援拠点事業 / 援助要請 / 専門性の向上 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,地域の子育て支援事業の役割を解明するために,質問紙調査の実施および前年度から引き続き国内外のペアレンティングプログラムに関する情報収集を行い,現状の課題等を明らかにすることを目的としていた。実績としては,地域の子育て支援事業に求める内容や支援者の専門性についてインターネット調査による予備調査を行い,利用満足度に関連する要因の検討と,支援者の要配慮事項を示す指標の作成を行った。その結果,地域の子育て支援事業利用者を対象に,回想法にて利用満足度を高めるための水準となりうる指標を探索的に検討できたと同時に,利用目的によって,スタッフの対応や活動内容に対する利用満足度が異なることが推察された。今後,項目の選定および本調査の実施により,具体的行動・環境指標としてのチェックリストの作成を目指す。 また,既存のペアレンティングプログラムであるBaby Programを実施し,地域の子育て支援室の役割や子育て意識に関する検証を行った。このプログラムでは対象が限定されており(第一子であることや,月齢の制限がある),似たような生活年齢の子どもを育てる母親が集まる。そのため仲間意識が芽生え,日常生活で困っていることや解決方法の共有ができたり,プログラム内で心理教育の内容を実践したりと,気持ちに余裕が生まれたようであった。また,地域子育て支援室での実践により,初めて来室した母親にとっても,遊び場や相談する場所として認知が高まっていた。一方で,プログラムの時間に関する希望(週に1回が負担に感じる母親,少ないと感じる母親)や,父親参加の希望など,プログラム開発に向けて検討すべき点が明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は,地域の子育て支援事業に求める内容や支援者の専門性についてインターネット調査による予備調査を行い,前年度とは対象年齢の異なるペアレンティングプログラムを実践することで、地域の子育て支援事業に従事する支援者が使用可能な指標を探索的に検討し、課題を明らかにした。調査の実施についてはおおむね順調であるが,援助要請促進プログラムの開発がやや遅れており、令和2年度はチェックリストの完成およびプログラムの開発と実践に向けて令和元年度の補完をしていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は,①子育て支援拠点事業の利用満足度を高めるための、支援者用チェックリストの作成を目指す。具体的には,予備調査で得た結果をもとに研究協力者間で項目の検討および整理をした上で、子育て支援拠点事業の利用者に質問紙調査を行い,子育て支援拠点事業の役割と専門性について明らかにする。②ペアレンティングプログラムの新たな開発に向けて、これまでの実践で得た課題の整理と提案を行う。
|
Causes of Carryover |
参加する予定であった日本発達心理学会第31回大会が,新型コロナウイルスの影響により「大会は成立したものとするが,開催期間に会場には参集しない」という措置に変更となった。そのため,発表資料にかかる印刷代の使用が困難となり,次年度使用額が生じた。次年度,地域子育て支援拠点事業の利用者に質問紙調査を行うため,調査にかかる印刷代や封筒代に補填するとともに,学会での成果発表や研究成果物(チェックリストを掲載した冊子)の作成などに補填する予定である。
|
Research Products
(3 results)