2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of model cases for teacher disaster prevention education by researchers
Project/Area Number |
18K13149
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五島 朋子 東京大学, 地震研究所, 特任研究員 (10782039)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 防災教育 / 教員防災教育 / 校内研修 / 災害想定 / 地震 / 津波 / 水害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年11月、福岡県立三池工業高校(大牟田市上官町)の生徒(140名程度)を対象とした出前授業、ならびに教職員(60名程度)を対象とした防災教員研修を実施した。福岡県大牟田市は、令和2年7月豪雨で浸水被害を受け、同年9月に発生した台風10号では沿岸地域において高潮災害が懸念された地域である。 日中、生徒を対象とした防災教育では、予め、大牟田市近辺の地形・地質に関する情報や、干拓の歴史、災害史等の地元の情報に特化した情報を掲載した防災テキストを作製したもの(「災害を知る」)を使用しながら、地震、風水害、土砂災害等についての解説と、令和2年7月豪雨での浸水範囲やその原因が内水氾濫であった等の解説を行った。また、福岡県における地震災害については、「1898年糸島の強震」と「2005年福岡市西方沖地震」による液状化地点が重なることを紹介し、授業の後半で簡単な液状化実験を行った。当日以降は、本授業の内容を、担当の先生に引き継ぎ、おうちの方から過去の災害の話を聞きとってもらい、後日、A0判の地形図に反映したものを学年全体で情報共有するという「じぶん防災マップ」を作製した。 放課後に行った教員防災研修においては、先の災害(令和2年7月豪雨)の浸水原因の説明、福岡県の各災害想定の根拠、学校防災管理と運用の課題、防災マニュアル作成のポイント等について解説を行った。 最後に、出前授業後のアンケート(教員対象)で、本取り組みの評価まで行った。その中で、学校の先生方からは、“より一層の危機管理強化の必要性を感じた”等の意見があった一方で、その後の避難訓練にも研修内容を生かす工夫が必要である、という課題が浮かび上がった。生徒だけでなく教員の防災研修の同時開催には大変意義があり、これらの取り組みは、地域防災力ならびに教職員の災害時対応力の向上に資するものと期待される。
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