2023 Fiscal Year Annual Research Report
Continuing Professional Development and Teachers Education in Music Education in England
Project/Area Number |
18K13152
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
森尻 有貴 東京学芸大学, 教育学研究科, 准教授 (90757478)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | イギリス / 音楽教育 / CPD / 職業専門性 / 教科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度においては、新たに発行されたNational Plan for Music Education (NPME) の検討とともに、これまでの調査研究などを包括的に検討した。NPMEが2011年に発行されて以後、2022年に新たなNPMEが発行された。そこには、2011年のNPME以降、各学校や地域のMusic Hubsが協力体制を築きながら、音楽教育の発展へ貢献したことを賞賛しつつも、Covid-19による音楽活動の困難さと変容等にも触れられている。また、今後、テクノロジーのさらなる支援や、経済的担保、2024年春からCPDにおいて更に優れたプログラムを提供すること、将来的には2024年秋までにMusic Hubsに専門家を配置することなどが述べられている。 新たなNPMEにおいて、初等教育では音楽専科の教員による指導が可能ならば望ましいとしながらも、全科教員が指導にあたる場合は、地域のMusic Hubからの支援が強調されており、2011年のNPME同様、Music Hubsの役割が重要視されている。中等教育においては、音楽専科教員が指導にあたるべきとされ、更に学校内に音楽教育組織の長を置くことが期待されるとしている。ナショナルカリキュラムで示された内容が網羅されるべきであると掲載されているが、アカデミー法制定以降、中等教育学校のアカデミー化が進むイングランドにおいて、課題が残ることが予想された。 また、初等教育と中等教育の移行においての指針が示されている。例えば、初等教育での音楽科における学習内容の記録を中等教育へ活用する案などが示されている。一方で、本研究においてCPDの指導を担う専門家へ半構造化面接を実施した結果、この初等教育と中等教育の乖離性に課題が挙げられたことから、NPMEにおける提言と、現場でのCPDの間には未だ課題が存在することも示唆された。
|