2018 Fiscal Year Research-status Report
器楽教育展開過程の研究:戦後改革期京都における器楽教育の動向を中心に
Project/Area Number |
18K13157
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
樫下 達也 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (10804122)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 器楽敎育 / 音楽教育史 / 京都 / 戦後改革期 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の第1年目にあたる本年度は、資料の調査および収集、ならびに研究環境の整備と資料のデータ化など、研究の基礎的な作業を中心に取り組んだ。 すなわち、その第1として、本研究の目標であるところの器楽教育展開過程の解明に必要な資料を収集した。具体的には、『楽器商報』における教育用楽器に関する記事(国立国会図書館における閲覧・複写)、東京都の小学校の器楽教育の実態がわかる『ある児童音楽隊活動記録アルバム』といった一次資料(古書店などで探索・購入)の収集を行った。また京都における器楽教育の実態解明のための資料として『錦林小学校創立100周年記』や公立学校内誌『錦林』、『京都音楽史』(古書店などで探索・購入)と行った資料を入手した。さらに器楽教育史を含む音楽教育の歴史記述ための基本的知見の把握のために、『高野辰之と唱歌の時代』他、音楽教育学、教育学、音楽学などの諸領域の研究成果に関する書籍を入手し、並行して日本教育学会、敎育史学会に参加して隣接領域の研究動向を把握、資料と情報を収集した。 第2に、収集した資料群の整理および閲覧のための機器類を購入し、資料の電子データ化およびデータベースの作成などに取り組んだ。こうした作業により、次年度以降の資料調査・収集、資料考察の円滑な遂行が可能となった。 以上の研究実績は、次年度以降の研究活動の準備的性質のものであり、4年間の研究計画において非常に重要な意義をもつものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画において示した資料収集は概ね順調に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題の推進のために、より多角的な資料収集の方法をとることが必要である。例えば、京都市における器楽教育という観点でみた場合、本年度の収集資料は、学校関連資料のものに偏っていた。しかしながら、本研究の独自性は楽器産業界や音楽界など学校外の動向も視野に入れることにあった。本年度は基本的なデータベース検索と大型公共図書館での資料探索が主であったが、楽器産業界関連の資料は楽器販売関連の企業が独自にもつ資料などにも目を配る必要があると思われる。このように、資料探索の場をさらに多角的に広げていくことによって、本研究に必要な資料群の収集につなげていく必要がある。
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