2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Development Process of Instrumental Music Education: Focusing on the Trends in Instrumental Music Education in Kyoto during the Postwar Reform Period
Project/Area Number |
18K13157
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
樫下 達也 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (10804122)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 器楽教育 / 京都 / 戦後改革期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、戦後日本における器楽教育の展開過程を、戦後改革期の京都市における器楽教育実践、教育行政、楽器産業界 のそれぞれに焦点を当てて明らかにすることであった。 本研究の最終年度に当たる2021年度および2022年度は、これまでに収集した資料の整理と考察を行った。具体的には、2020年度に収集済みであった戦後改革期の京都市教育委員会資料の整理と考察を進めた。成果としては、戦後改革期の京都市における器楽教育の中心となった楽器の指導員が採用された経緯の一部が教育委員会議事録から明らかとなった。しかしながら、これらを論文等として発表するには至らなかった。 本研究の研究機関全体を通して、新型コロナウィルス感染拡大の影響により学校現場の資料すなわち器楽教育実践に関する資料、および、楽器産業に関する資料の調査・収集を行うことが難しく、全体として計画が十分に遂行されなかった。そこで期間途中より教育行政関連の資料の収集を行うこととし、先に述べた戦後改革期の京都市教育委員会資料を収集・分析する計画に変更した。当資料は1949(昭和24)年から1950(昭和25)年にかけての「教育委員会書類」であり秘書室長により教育委員会議事案・会議資料等が収録されたものであった。この資料の分析によって京都市における教育用楽器の購入の検討時期や内容がこれまでより具体的に明らかになっている。当然ながらこの成果は京都における音楽教育の実態解明のためにも重要な意義をもつものである。なお、当該資料は音楽教育史のみならず、戦後改革期の京都の教育の状況を示す内容を含むものであって、この資料の内容分析の研究的意義は大きい。 本研究期間終了後も同資料を中心として戦後改革期以降の京都の器楽教育の展開について明らかにしていきたい。
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