2018 Fiscal Year Research-status Report
「赤ちゃんとのふれあい体験」の効果的な実践プログラムモデルの開発
Project/Area Number |
18K13158
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
加賀 恵子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (20805981)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 赤ちゃんとのふれあい体験 / 社会資源との協働 / 家庭科教育 / 実践プログラムモデル開発 / Roots of Empathy |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、学校教育現場における「赤ちゃんとのふれあい体験」の動向把握を目的として、フィールド調査3件(国内と海外)とメール調査1件を実施した。 まず、国内フィールド調査ではNPO法人ママの働き方応援隊「赤ちゃん先生プロジェクト」を活用して行われた愛知県名古屋市のT高等学校の授業の観察調査、および事業主体代表と家庭科担当教師へのヒアリング調査を実施した。同プロジェクトによって「赤ちゃんとのふれあい体験」を行う場合の利点や課題等について確認することができた。 次に、海外フィールド調査では、Roots of Empathy(共感教育)研究の第一人者であるキンバリー・スコット教授(ブリティッシュコロンビア大学)とブリティッシュコロンビア州の学校教育現場において同プログラムの実施をマネージメントするダーシー・モーガン氏へのヒアリング調査を実施した。Roots of Empathyに関する資料を入手したほか、カナダと日本における実施条件の違いなど新たな知見を得ることができた。さらに、ESD推進先進国であるドイツのバイエルン州の学校教育現場を視察した。参観した授業は、ヴュルツブルク大学の教員、地域人材、教員によって協働されていること、倫理的な行動について考え市民性を育むことをねらいとしていることなど、社会資源と学校教育との協働をベースとした本研究と重なる部分が多くあり、プログラムモデル開発につながる示唆を得ることができた。 メール調査は、研究協力者であるふれあいサポートネット「ふわっと」(静岡県浜松市)の「赤ちゃんとのふれあい体験」事業に参加したすべての保護者を対象に実施した。対象者の日ごろの意識や行動の実態、体験事業に対する意識や課題の捉え方などについて調査した。現在分析を進めているところであり、結果は2019年度日本家庭科教育学会例会(東京学芸大学)において発表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時宜を得て実施した国内外でのフィールド調査により、体験事業を広い視野でとらえなおすことができた。また、体験事業の成立にあたり重要な主体である赤ちゃんの保護者を対象としたメール調査を実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度~2020年度にかけて、選定した6自治体が実施するプログラムの観察調査および事業主体へのヒアリング調査を進めたいと考えているが、日程や相手方の都合等の関係で実施が困難になる可能性もある。その場合には同様の成果が期待できる別事例の選定を検討する。
|
Causes of Carryover |
今年度のフィールド調査の件数が予定件数より少なかったためを、データ分析に要すると見込んでいた人件費が生じなかったため。 次年度は複数の国内のフィールド調査を実施予定のため、今年度の残額を加えた次年度予算の多くは、旅費及び人件費への支出に充当されると見込んでいる。
|