2019 Fiscal Year Research-status Report
「赤ちゃんとのふれあい体験」の効果的な実践プログラムモデルの開発
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18K13158
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
加賀 恵子 弘前大学, 教育学部, 准教授 (20805981)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 赤ちゃんとのふれあい体験 / 社会資源との協働 / 家庭科教育 / 実践プログラムモデルの開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、学校教育現場における「赤ちゃんとのふれあい体験」の動向把握を目的とした国内フィールド調査2件、同体験事業を実施したことのある市民グループと家庭科教員有志によるワークショップの実施、メール調査結果の発表を行った。 フィールド調査は、学校教育現場を主体とした展開がみられる愛知県豊田市と石川県小松市で実施した。愛知県豊田市では、平成19年度から市内の中学生を対象として展開され、主催者である行政が担う役割が大きいことが特徴であった。他方、石川県は、平成26年度から高校生を対象に家庭科の時間を活用して実施していること、石川県から委託された石川子育て支援財団がNPOや学校を結ぶハブの役割を務めていることが大きな特徴であった。いずれにおいても事業に携わる多様な主体へのヒアリング調査を実施した結果、組織や集団の関係性やこれに携わる「個」の心理的側面が大きく影響することが明らかとなった。 「赤ちゃんとのふれあい体験」についての現状と課題の共有を目的に、「本音で語る場・本音を聴く場」として実施したワークショップでは、「個」の心理的側面にフォーカスした。日ごろの事業や行事をこなすことで精一杯になりがちな市民グループと学校教員が、遠慮することなく語り合うことで、体験事業に対する意識や課題の捉え方のずれなどを確認できた。 また、昨年度、研究協力者であるふれあいサポートネット「ふわっと」(静岡県浜松市)の「赤ちゃんとのふれあい体験」事業に参加したすべての保護者を対象に実施したメール調査結果を、中間報告としてまとめ、2019年8月に日本家庭科教育学会近畿地区会実践・研究発表会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学校教育現場におけるフィールド調査は、残すところ僅かとなり順調に進んでいる。また、フィールド調査には、可能な限り研究協力者である榊原真理氏と出向いて各事業の現状と課題を共有し、プログラムモデルの開発に向けて動き出している。
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Strategy for Future Research Activity |
○令和2年度:①これまで積み重ねてきたフィールド調査やメール調査により明らかになった現状と課題について分析を進め、必要に応じて追加調査を行う。現在、同体験活動の草分けであるカナダ共感教育プログラムについての追加調査を計画している。先の訪問で調査協力の得られたブリティッシュコロンビア州バンクーバーの学校教育現場におけるマネージメントを詳細に調査し、プログラム開発に生かす予定である。 ②これまでの成果をまとめ、学会での口頭発表や論文発表などの形で中間報告を行う。 ③可能な限り実践プログラムを開発・実施して、その有効性をアンケート調査やインタビュー調査により検証する。 ○令和3年度:令和2年度の検証結果に基づき開発プログラムを修正し、効果的な実践プログラムとして発信する。具体的には、前述のよう に「赤ちゃんとのふれあい体験事業についての報告書」を作成し、現在学校教育現場で体験事業に取り組んでいる自治体に対して配布したり 、研究代表者の大学のウェブサイトなどでも公開したりする予定である。さらに、現職教員研修会や教員免許状更新講習などで紹介したり、 本事業に携わる様々な主体を対象とした学習会を開催したりすることで汎用的な活用を可能にできると考えている。
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Causes of Carryover |
今年度、翻訳料や国内旅費などの発生により前倒し支払い請求を活用させていただいたが、その残額が生じているため。次年度は追加調査やプログラム開発・実施などを予定しており、今年度の残額を加えた予算は、旅費や人件費、体験用消耗品購入に充当したいと考えている。
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