2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of exchange, collaboration, and connection programs in art education toward a symbiotic society
Project/Area Number |
18K13160
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
池田 吏志 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80610922)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 美術教育 / インクルーシブ / 障害 / 美術館 / アート / コミュニティ / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
広島県内の障害のある人たちへの質問紙調査では、表現活動をしている人が65%であったのに対し、鑑賞活動をしている人が42%と低かった。展覧会に行かない理由として、「興味が持てない」が最も多かった。それに対し、展覧会に行く理由は、「自分や知り合い、同じ障害のある人たちの展覧会」であることが相対的に多かった。また、鑑賞活動を難しくしている要因として、美術館やギャラリーまでのアクセスの問題、会場での他者の目への懸念に関する回答が多かった。 この結果を踏まえ、令和3年度には、広島県、広島県立美術館、広島県アートサポートセンターと連携し、障害のある人対象のオンライン対話型鑑賞会「みんなで楽しむおしゃべり展覧会~君の見方で絵をみよう~」を実施した。また、関連事業として、広島県立美術館所蔵作品である小林千古『ミルク・メイド』をお題とし、障害のある人が単独で、また、サポートする人との共同で考案・出演・創作した作品(詩・物語・写真等)をオンライン上で募集し、同じくオンライン上で公表・展示する展覧会「1枚の絵をきっかけに~はじまることば・はじまる写真~」を開催した。さらに、遠隔操作機器を用いて、障害のある人が施設などからパソコンを使って自走式ロボットを動かし、展覧会を鑑賞するワークショップを実施した。 本研究期間全体を通した研究の成果は、次の3点である。1点目は、学習者の実態を、障害種の違いではなく、コミュニケーションレベルと運動機能レベルの相関で捉え、多様な実態の子どもに適応できる美術科教育の指導理論を生成したこと。2点目は、障害の有無を問わず、双方にメリットがある美術科教育の交流及び共同学習プログラムを開発し、その有効性を示したこと。3点目は、特別支援学校卒業後に創作活動を継続できるための接続プログラムを開発・実施したことである。
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Research Products
(14 results)