2020 Fiscal Year Research-status Report
Development and Effectiveness Verification of Undergraduate Interprofessional Education Aiming at Assistance of Pupils and Students with Health Problems
Project/Area Number |
18K13170
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
齊藤 理砂子 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (90634907)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 養護教諭 / 協働 / 教諭 / チームとしての学校 / 組織文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目的は、健康課題を抱える子どもの支援を目指した、卒前多職種連携教育プログラムの開発であるが、その基礎資料とするために、「チームとしての学校」における協働(注)に影響を与える要因を明確化することが求められた。そこで2019年度には養護教諭へのインタビュー調査を実施し、複数の要因を得た。 2020年度では、文献調査によってさらに要因を探索した。そしてこれら諸要因を、組織文化論の3層構造(有形の人為的創造物、価値観、基本的仮定、E.H.シャイン.1989)に沿って分析した。その結果、「有形の人為的創造物」では「協働実践」や「協働しやすいレイアウト」が、「価値観」では「教諭と養護教諭の価値観の相違」などの要因にまとめることができた。 さらに、これらの要因がどのように協働に影響を与えるか考察を加え、因果モデルを作成し、モデルに含まれる諸要因及び協働を問う質問票を作成した。特に「協働」は明確に定義された概念ではないため、インタビュー結果と先行研究を参考にしながら、構成的に定義した(共有性、専門性、仲間性等)。 これらの成果を基に、2021年度は全国の養護教諭を対象にアンケート調査を行い、実際に諸要因が協働に影響を与えるかどうか、因果モデルを用いて検証する予定である。 注)2019年度までは、連携・協働・コーディネートという3つの用語を利用していたが、これらの用語は概念が重複している部分があり、インタビュー調査や先行研究に基づいて整理した結果、今後の研究では「協働」に焦点をあてて進めることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、養護教諭の協働に影響を与える諸要因の検証を目的としたアンケート調査を行う予定であったが、その準備中、「連携」「協働」「コーディネート」の用語を整理し、「協働」を操作的に定義する必要性が生じたことなどにより、研究の進行がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、2020年度に作成した調査計画に従い、全国の小中高等学校の養護教諭を対象にアンケート調査を行う予定である(2021年度)。 そして結果を分析した結果、一般性があると判断された協働促進要因を取り込み、さらに2018年度に行った「養護教諭及び保健師を目指す学生を対象とした教育プログラムの作成と有効性の検証」の成果と課題も踏まえて、多職種連携教育プログラム(小学校教諭、中学校教諭、特別支援学校教諭、養護教諭を目指す学生を対象とした協働の向上を目指した演習プログラム)の作成につなげていく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度に予定していた質問調査を2021年度に先送りしたため、2021年度では、調査依頼状の印刷費、郵送費(官製ハガキ、催促状、お礼状)、分析費(データ分析、統計ソフト)を予定している。
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Research Products
(2 results)