2018 Fiscal Year Research-status Report
Research for developing a system for selecting expository text materials
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18K13171
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
篠崎 祐介 玉川大学, 文学部, 助教 (60759992)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 説明的文章 / 複数教材 / 選択基準 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国語科における説明的文章の教材選択システムを開発するための理論的基盤を構築するために、階層分析法を活用して、読解教材の効果的・効率的な選択方法を明らかにすることである。そのために、本研究では、国語科教員の説明的文章教材の選択基準を明らかにするとともに、国語科教科書における説明的文章教材の類似性を判定することとしている。 本年度は、国語科教員の説明的文章教材の選択基準を明らかにすることを目的として、複数の説明的文章教材を選択することに熟達している国語科における教職経験のある大学教員を4名を同時に集めて、グループインタビューを実施した。4名のうち、2名は小学校での教職経験、2名は中・高等学校での教職経験のある者である。なお、グループでのインタビューを実施したのは、グループで話し合う中で生じるグループダイナミクスを活用することによって、説明的文章の教材選択の基準に関する深層的かつ幅広い観点からの回答を得ようとしたためである。 グループインタビューで得られた回答を、研究代表者と説明的文章の読解指導論を専門とする研究者の2名で分析した。その結果、複数の説明的文章の教材を選択する観点として、文章の内容や形式などの論理に関わる観点、筆者に関わる観点などが、抽出された。 現在、こうした研究の成果と先行研究の成果との関連を考察しながら、論文投稿と学会報告に向けて準備を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の当初の目的は、国語科教員の説明的文章教材の選択基準を明らかにすることとしており、グループインタビューによって複数の説明的文章の教材を選択する観点を抽出することができている。研究成果の公表に課題が残るが、公表に向けての目途もたっており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、国語科教科書所収の説明的文章教材を対象とした計量テキスト分析によって、読解教材の類似性を判定する方針である。
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Causes of Carryover |
本年度は説明的文章教材の選択観点を明らかにするためにグループインタビューを実施した。当初の予定ではグループインタビューに際して謝金を計上していたが、先方が謝金の受け取りを辞退したため、次年度使用額が生じた。 次年度は、当初の予定通り、本年度の成果を発表するために予算を使用するとともに、国語科教科書所収の説明的文章教材を対象とした計量テキスト分析を行うため、分析を行うための環境整備を行う。具体的には、最新の計量テキスト分析関係書籍を購入することを計画している。
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