2021 Fiscal Year Annual Research Report
A longitudinal study on moral lessons involving thinking and discussing with moral dilemma
Project/Area Number |
18K13176
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Research Institution | Kamakura Women's University |
Principal Investigator |
藤澤 文 鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (40633623)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 「考え,議論する」道徳授業 / 中学生 / 国際比較 / 縦断的研究 / フィンランド / 特別支援学級 / モラルジレンマ討論 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習指導要領の改訂にあたり,「考え議論する道徳」授業をどのように行うかが様々な立場から議論されている。しかし,従来の道徳授業(国内外問わず,心情の読み取りが多い)とは異なる,考えたり,議論したりすることを活性化させるための方法論や新しい道徳的教育課題に対応した教材は少なく(藤澤・内藤,2015),その効果も実証的に検討されてはいなかった。そこで,申請者は本研究において,ある価値について自分自身を含め,様々な他者視点や道徳の発達段階が異なる考え方について広く考え,議論することのできるモラルジレンマ討論を「考え議論する道徳」の教授法の1つとして提案し(藤澤,2010,2013ほか),中学生700名(特別支援学級の生徒(人の心を考えるのが困難とされる)を含む)を対象とし,その効果について2年かけて縦断研究を行った。 その結果,①モラルジレンマ討論を採用した道徳授業の参観,考察を行うことにより,考えたり,議論したりすることのできる道徳授業を提案することができた。②国内の道徳授業だけではなく,フィンランドの道徳授業についても参観することができ,道徳授業の国際比較をすることができた。この結果について,国際学会にて受賞した。③マレーシアにおいても道徳授業の国際比較研究を計画したが,COVID-19のため,中断となった。④社会性,道徳性,考え,議論する力について縦断研究を行うことにより,小学生から中学生にかけての発達を明らかにすることができた。副次的に,中学生から大学生までの横断研究も実施し,縦断研究の結果と比較することもできた。これらの結果を踏まえて,論文や教科書を執筆し,知見の社会的還元に努めた。 今後は,③の実施,④の継続を行うことにより,より包括的な知見を得,社会に還元できるように努める。
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Research Products
(8 results)