2019 Fiscal Year Research-status Report
高等学校の「総合的な探究の時間」に求められる探究型カリキュラム及び教材の開発
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18K13181
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
加藤 智 愛知淑徳大学, 文学部, 准教授 (00619306)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 総合的な学習の時間 / 総合的な探究の時間 / 非認知的スキル / サービス・ラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度より高等学校で実施される「総合的な探究の時間」の教育効果と効果的な探究型カリキュラム及び教材を開発するために、以下の研究に取り組んだ。 ・高等学校の総合的な探究(学習)の時間の実施状況が低調であることを踏まえ、小学校及び中学校の総合的な学習の時間の教育効果について検討した。その結果、総合的な学習の時間には、現在国際的に注目を集めている「非認知的スキル」の育成に大きな効果があることが見出された。さらに、総合的な学習の時間に「サービス・ラーニング」を導入することが非認知的スキルの育成に極めて効果的であることを論証した。(加藤智(2020)「非認知的スキルの育成に資する総合的な学習の時間に関する基礎的研究」愛知教育大学大学院教育学研究科・静岡大学大学院教育学研究科共同教科開発学専攻『教科開発学論集』第8号) ・高等学校の総合的な探究の時間に近い形で実施されている中学校の総合的な学習の時間の教育効果と効果的な学習指導の在り方について検討した。その結果、「課題に関連付けた教科指導の実施」、「考えるための技法の活用」、「効果的な課題設定」、「意思決定の尊重」、「地域とのかかわりの保障」といった要素が重要であることが見出された。(加藤智・内田裕斗(2020)「中学校の総合的な学習の時間が育成する資質・能力と効果的な学習指導の検討」日本生活科・総合的学習教育学会『せいかつか&そうごう』第27号)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度に全国の学校を対象とした大規模なアンケート調査を実施したが、事後調査の実施時期に多くの学校で新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う休校措置が取られたため、事後調査が十分にできなかった。2020年度についても、同様のアンケート調査が実施できるか不透明な状況であり、研究方法について再検討する必要が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に実施したアンケート調査について、サンプル数は少ないものの分析を行う。今後、さらに精度を高めたアンケート調査について、社会情勢を見ながら適切な時期を検討し実施を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、アンケート調査の回収率が低下し、集計に要する費用が大幅に下がった。また、新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、学会の全国大会や研究会が中止となり、旅費の執行額が大幅に減少したため、未使用額が生じた。 そのため、実施できなかったアンケート調査の再実施と学会での発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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