2021 Fiscal Year Annual Research Report
Moral education program based on the development of the understanding of ridicule from early to middle childhood
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18K13185
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
伊藤 理絵 常葉大学, 保育学部, 講師 (70780568)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 嘲笑 / 笑い / ユーモア / いじめ / 友人関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、COVID-19の影響及び、所属先変更により研究環境が変わったことで、子どもと直接関わる実験の実施が昨年度に引き続き難しかったが、これまでのデータをまとめ、以下について取り組んだ。 Eテレ『いじめをノックアウト』の「“いじり”から考える友だち関係」に携わり、いじりをどのように考えたら良いか、幼児期の子どもの笑いの観察研究に基づき解説し、親和的笑いには、laughとsmileがあることを話し合う道徳教育の在り方を示唆した。 また、「嘲笑と故意性の理解―受け入れられない「ごめんね」の事例から―」について学会発表を行った(日本笑い学会 第28回総会・研究発表会.2021年記念講演・シンポジウム・研究発表要旨集, p.4)。幼児期後期の嘲笑理解の発達には、語彙年齢、他者感情理解、高次の心の理論、および故意性の理解を含む道徳的判断が関連していることが示唆されているが、これらの要因の全てが満たされることで嘲笑理解がなされるとは言えない事例の一つとして、年長児のエピソードを取り上げた。発達には多様な個人差とプロセスがあるため、その発達を踏まえた脱慣習的道徳教育について提案した。 さらに、人と関わる力を養う保育者・教育者が子どもの育ちを理解するためのキーワードとして、「心の理論の長期的発達と多様性」と「道徳性と規範意識」に関する先行研究をレビューし、幼児期以降の高次の心の理論の発達とその多様性、及び乳幼児期の道徳性・規範意識の発達について理性的かつ情動的な道徳性に関する研究動向について論じた(古賀松香他「領域「人間関係」の専門的事項に関する調査研究レビュー」乳幼児教育・保育者養成研究, 2, pp.3-24)。
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