2019 Fiscal Year Research-status Report
サブサハラ・アフリカの高等教育分野における学生の国際モビリティに関する地域研究
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18K13189
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Research Institution | Akita International University |
Principal Investigator |
成澤 徳子 国際教養大学, 国際教養学部, 研究員 (90614107)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高等教育 / モビリティ / 大学の国際化 / 留学生市場 / 留学生ニーズ / 移民 / 国際比較研究 / サブサハラ・アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学生の国際移動が頻繁で将来性のある留学生市場として世界に注目されているものの、いまだ高等教育のエリート段階にある学生の海外留学に関して、意思決定要因を含めたミクロな動態が十分に解明されていないサブサハラ・アフリカ地域について、高等教育分野における学生の国際モビリティの実態を包括的に明らかにすることである。 令和元年度は、初年度に引き続き、サブサハラ・アフリカ地域の高等教育に関する資料の収集・分析を進めた。また、移民の国際移動に関して、高度人材だけでなく単純労働者も含めて文献調査に基づくマクロレベルの分析をおこなった。学生の移動に関するミクロ分析に用いるデータ収集は、自身が長期出張している南部アフリカのザンビアにおいて、海外留学中のザンビア人学生やザンビアで働く周辺国からの移民を対象に聞き取り調査を実施した。加えて、西アフリカのガーナとコートジボワールにおいて、日本留学経験者や日本語教育に携わる教員に対し、留学とキャリアアップに関する聞き取りをおこなった。留学先決定プロセスの分析では、同郷者コミュニティの影響や女性のライフコースと家族による支援との関わりなどの要因に注目した。研究成果の一部は、ポーランドで開催された国際学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度半ばで所属大学を異動し研究環境が大幅に変わったことで視野がより広がり、これまでの調査結果の分析に生かすことができた。一方で、ザンビア駐在から日本国内での勤務に変更したこと、及び新型コロナウィルスの影響により、年度の後半はアフリカにおける現地調査が実施できなかったため、アフリカ内外を対象とした人の国際移動に関する文献調査に切り替えた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の活動拠点が日本へ移動したため、今後の現地調査は日本国内でのフィールドワークに比重を置き、アフリカ出身の留学生や移民から、留学動機や進路志向等の具体的事例を収集したい。新型コロナウィルスの状況次第で、海外渡航が可能になればザンビアでの事例収集を継続するが、渡航が難しい場合には、これまで関係を築いたインフォーマントと定期的に連絡を取りながら現地情報を収集する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により使用しなかった旅費を、次年度の研究図書購入費と旅費に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)