2018 Fiscal Year Research-status Report
A Fundamental Study Towards the Development of "Internationalization at Home" in Japanese Universities
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18K13190
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水松 巳奈 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (30726211)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大学の国際化 / 内なる国際化 / 包括的国際化 / 組織・人材開発 / 異文化間教育 / 異文化理解 / 多文化共生 / グローバル市民育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、国内の大学における単独ケーススタディを実施した。計画より少し早く、年度のはじめに、2018年度に調査のターゲットとしていた大学において4つのステークホルダーのグループに属する計40名のステークホルダー(国際化に関わる大学執行部と大学教員、国内学生、留学性)に対して個別インタビューを実施した。本インタビュー調査は、これまで国内大学が推進してきた大学の国際化に対する大学ステークホルダーの捉え方について探るもので、予め作成しておいた質問項目をもとに半構造化インタビューとして進めた。その中で、各ステークホルダーが大学の国際化に対してどのような影響を与えているかについても検討した。これまで、大学の教職員や執行部に対する調査は行われてきたものの、学生に対する調査はほとんど行われてこなかったため、本調査はこれまでの研究に対して新たな検知を与えられるものだと考える。 調査の結果、各ステークホルダーグループにおける国際化に対する捉え方に違いが見られ、この違いが大学の国際化の推進に影響を与えていることを確認し、さらなる調査に向けて現在準備している。 年度後半には、研究計画の前半部分の研究成果報告として、国際学会(クアラルンプール・マレーシア)における2件の口頭発表(単独と共同1件ずつ)を行い、アジアを中心とする世界各国の研究者や実践者からもらったフィードバックを今後の調査や分析の際に生かしたい。また、関連学会が刊行した書籍においても本研究に関連した成果について一部記述した。さらに、大学紀要にも関連調査について報告を投稿した。来年度については、今年度得た研究結果について国内外のジャーナルへの投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、予定通り国内大学において、大学の複数のステークホルダーグループとのインタビュー調査を行なうことができた。具体的には、4ヶ月間で40名のステークホルダー(国際化に関わる大学執行部と大学教員、国内学生、留学性)と個別の半構造化インタビューを実施した。インタビュー実施後は、データの整理・分析を3ヶ月程度かけて行った。年度後半にかけては、本調査結果について報告する目的で国際学会での口頭発表(査読あり)に申請した。全3件に採択されたが、学内業務との予定重複のため、APAIE(マレーシア・クアラルンプール)における2件の発表のみとなった。口頭発表の際には、世界各国の研究者や実践者からのフィードバックを受け、本研究についての方向性がさらに具体的に見え、また本研究の意義について多角的に再確認する貴重な機会となり、大きな収穫を得ることができた。また、関連学会が刊行した書籍においても本研究に関連した成果について執筆し、大学紀要にも報告を投稿することができた。 さらに、研究計画にはなかったこととして、米国・ペンシルベニア州立大学(PSU)の研究チームとの国際共同研究を開始した。「内なる国際化」の新たな可能性としてオンライン環境を活用した学生のグローバルマインドの醸成するための方策の検討を、オンラインツールの開発と併せて進めている。こちらのチームとは米国・教育工学会(AECT)における活動を中心に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目にあたる2019年度は、次のような研究計画を立てている。 1) 2018年度に収集したデータについて、更に分析を進め、単独ケーススタディとして国内外の学術論文誌に投稿をする。特に、ステークホルダーごとの比較を実施し、考察を深める。 2) 国内外の研究者や実践家から多角的なフィードバックを受ける目的で、調査結果について随時、関連分野の国際会議、国内会議等で発表する。 3) 「内なる国際化」の国内の大学における実態を把握するために、今回調査した大学とは別の国内大学、特に大規模私立大学におけるインタビュー調査を進める。そこでステークホルダー(大学教員や大学)とのインタビューからデータをさらに収集し、分析を進める。また、1つ目の大学での経験を生かして、大学の国際化関連部署で働く職員も含めてインタビューを行うことで、教員と職員との国際化に対する捉え方の相違点・共通点など、比較研究のためのデータ収集をする。 4) PSUとのオンラインツール開発を進めるために、授業内等で使用していく。10月にはAECTにおける口頭発表も決定しているため、そちらに向けて調査・分析を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度開催予定だった国際学会(3月)が4月に開催されることになったため、来年度の国際学会参加費・旅費が予定より多くかかる予定である。
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Research Products
(5 results)