2018 Fiscal Year Research-status Report
人文・社会科学領域の学士課程教育における帰属組織モデルの実証的研究
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18K13197
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
西野 穀朗 京都橘大学, 現代ビジネス学部, 専任講師 (20781602)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学士課程教育 / 帰属組織モデル / アクティブラーニング / ゼミナール教育 / 徒弟制度 / 質問紙調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学士課程教育において日本的特質と注目される「帰属組織モデル」の存在を実証していくことを目的とし、人文・社会科学領域において伝統的に行なわれてきたゼミナール教育(以下ゼミ教育と表記する)に焦点を当てた調査分析を行うものである。 2018年度は初年度ということもあり、研究成果を作りだすための準備期間と位置づけ、(1)これまでの先行研究の整理と論文執筆、(2)最新の知見収集、(3)質問紙の作成、(4)質問紙郵送先の選定を行った。(1)については、これまで行ってきたゼミ教育のエスノグラフィーを論文としてとりまとめ、大学教育学会誌に投稿した。(2)については、インターネットや書籍を中心に情報を収集したが、特に3月26日に成城大学で開催された「大学教育と大学教員の未来像-目指すべき学修成果、求められる教育行動を探る-」における報告「あのゼミではなぜ学生が育つのか-教員たちの教育行動に注目して-」は、教員の個々の実践知を知る上で大いに参考になった。(3)については、これまでの研究知見を参考にしつつ作成し、他の研究者からも助言をいただき質問紙を修正した。特にこれまでほとんど注目されてこなかった、ゼミにおける学修成果の評価実態の把握や、卒業論文の作成過程についても質問紙に加えることになったため、ゼミ教育の内実に迫る調査が可能になると考えている。(4)については、「全国学校最新リスト「大学」」を購入し、人文・社会科学系学科の選定を行った。また最も安価で郵送できる先を模索し、ディーエムソリューションズ株式会社に委託することに決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に質問紙調査の実施まで完了する予定であったが、質問紙調査の実施準備までにとどまった。理由としては、先行研究の整理や質問紙の設計、郵送先の選定に時間がかかったことや、研究倫理委員会への申請などに時間がかかったことが挙げられる。2019年度4月時点で、質問紙調査の設計、郵送先の選定、研究倫理委員会への申請は完了しており、申請が通り次第、郵送手続きに入る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、郵送調査の実施、質問紙の回収と結果の分析に注力する。回収率によっては、質問紙を再送する可能性も検討する。また、分析結果の速報は、可能であれば学会等で発表したり、研究ノートとして、学会誌等への投稿を検討している。
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Causes of Carryover |
理由は2点ある。1点目は、2018年度に実施予定であった質問紙調査を2019年度に繰り越したためである。2点目は、調査対象数が予定よりも増加したためである。質問紙調査を委託する業者を厳選することにより、調査単価を大幅に抑えられる可能性を見出すことができた。その分、調査対象の幅を広げることで、調査の精度を高めることとした。結果的に当初の予定よりも質問紙調査に予算を割くことになるが、その分は後半に予定しているインタビュー調査件数を減らすことで対応する予定である。
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