2021 Fiscal Year Research-status Report
大学における退学防止モデルの提案―大学間・時点間の退学率データ分析から―
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18K13201
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
紺田 広明 福岡大学, 公私立大学の部局等, 講師 (60734077)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中途退学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、主として退学に関わる支援策の現状と課題に関して検討したものを研究業績として取りまとめを行った。昨年度に行った、対外的に公表されている大学の自己点検・評価報告書を研究対象として、大学の退学への対応や支援の整理を試みた内容を、先行研究とともに文章化を行った。その研究成果としては、大学教育学会第43回大会において学会発表を行った。その後に、紀要論文「退学に関わる支援策の現状と課題―自己点検・評価に記述される大学の実践から―」(福岡大学教育開発支援機構紀要第4号, pp.40-49)としてとりまとめるに至った。大学の退学に対する対応や支援策として、クラス担任制や学習アドバイザーなどによる面談が中心となっている現状が読み取れた。その一方で、退学に関わる要因や原因を教学などのデータから計量的分析をして対策を見出し、現場の実践に活かす取り組みはまだ途上にある状況を報告することができた。以上として、大規模私立大学に関する内容ではなるが、近年の退学に関わる支援策の現状と課題に関して研究内容として発行するこができた。加えて、コロナ禍における退学率や大学状況に関するデータが多くは出てきていないことから、年次比較等のデータによる有意味な検討が難しい状況であることから研究の見直しを検討した。現状に即した研究成果を目指すため、コロナ禍における退学データの収集やその特徴がわかる分析を行うことを目標として進めることにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
退学に関するデータによる検討を当初予定していたが、コロナ禍の状況における退学に関わるデータが現状ではまだ多くは出てきていないことから、予定通りには進められていない。ただ、今年度は研究成果を報告することができているなど、研究の方向性を修正を行いつつ進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに研究成果としてまとめることを行った、近年の退学に関わる支援策の現状と課題に関する内容に基づいて、今後は特にコロナ禍の退学やその支援策の特徴の抽出を目指していくことを予定している。特に、少しずつデータ化されているコロナ禍の退学の状況について計量的分析を実施していくことで、退学防止に関わるモデルを提示することを目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の状況が進展しているなかで、研究の見直しを行い主にデータの収集などに困難が生じた。これに伴って、研究費の繰り越しが生じる状況となっている。令和4年度に関しても、コロナ禍の状況を考慮して出張は検討することにして、主に繰り越しした研究費についてはコロナ禍に関わる退学のデータの収集や分析に関する費用として使用する予定である。
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