2021 Fiscal Year Research-status Report
米国学生支援におけるプログラムの基準とその評価に関する研究
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18K13204
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
蝶 慎一 広島大学, 高等教育研究開発センター, 助教 (50781548)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学生支援 / 米国 / 質保証 / 評価基準 / プログラム / スタンダード / 専門職団体 / CAS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、米国の大学における学生支援にかかる「評価基準」の理念・目的、内容等に焦点を当てることで、その特徴や現状、今後の検討事項を含めて制度面から実証的に考察することを目的としている。その際に、評価の観点から、米国の学生支援をめぐる質保証のあり方を示唆することも目指している。 本研究課題のうち、第2の「米国における大学院の『修士課程プログラム』の『評価基準』の調査・内容分析」を継続して遂行している。そして、これらの実証的な歴史分析や実践に強く関わる考察も並行して遂行できている。 以下、具体的な研究実績として4点あげられる。 第1に、当初予定していた米国における実地訪問調査は、新型コロナウイルス感染症の拡大等で実施自体が不可能になったが、CASスタンダードの現物資料、他の関連するセミナー資料や文献研究にも使用できる書籍、プロジェクト資料について積極的に渉猟、収集することができた。第2に、昨年度(2020年度)より継続して検討してきた(いる)CASスタンダードの適用事例の好事例である米国のコロラド大学コロラドスプリングス校の史資料をオンライン等で収集し、分析できた。第3に、上記の分析や考察による研究成果は、全国学会での口頭発表(共同研究者との共同発表を含む)や、日本学生支援機構における関連セミナー(2021年8月)、NPO等による実務研修(2021年7月、若手の事務職員が主な参加対象)でも一部の成果を発表でき、教育・学生支援の業務でも資する情報を適宜提供できた。そして、第4に全国学会誌(相当)の査読付き学術論文、研究ノートとして複数掲載することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における進捗状況については、本研究課題にかかる、第2の「米国における大学院の『修士課程プログラム』の『評価基準』の調査・内容分析」を前年度(2020年度)に継続して遂行できており、その分析や考察も並行して実施してきている。 今年度(2021年度)も、昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大等の影響を受け、米国における実地訪問調査は行うことが叶わなかったものの、CASスタンダードのうち、学寮(「学生ハウジングとレジデンシャル・ライフ)を対象とする最新版の「Housing and Residential Life Programs」をCASのオンラインストアを通じて購入し、他の関連するセミナー資料や文献(例えば、『CAMPUS HOUSING MANAGEMENT SERIES』)、プロジェクト資料(例えば、『Cross-Functional Framework』2019)等についても精力的に同ストアより購入、あるいは、国内の大学図書館で所蔵されている場合は相互貸借を受けることで本研究に依拠する史資料等を数多く収集することができた。 さらに、本研究での上記の分析や考察の成果は、全国学会での口頭発表や、日本学生支援機構における関連セミナー、NPO等による関連研修等でも一部発表でき、全国学会誌(全国レベルの研究会やそれ相当を含む)の査読付き学術論文としても複数掲載することができ、当該区分の評価ができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、米国の大学における学生支援にかかる「評価基準」の理念・目的、内容等に特に焦点を当てることで、その特徴や現状、今後の検討事項を含めて制度面から実証的に考察することを目的としている。 次年度(2022年度)に向けて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況、海外調査の可否の方針など柔軟に踏まえながら、CASを中心とした米国の実地訪問調査と史資料の発掘及び収集・整理を行い、そこで得られた新たな知見を総合的にまとめ、公表していくことを計画している。具体的には、引き続き、査読付き学術論文等を執筆し、刊行できるよう努める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、新型コロナウイルス感染症の拡大等による米国の実地訪問調査(具体的には、現地の諸大学及び関連する大学団体、専門職団体等での調査)が極めて困難な状況があったことによる。加えて、本研究課題にもある米国の学生支援におけるプログラムの英語文献、史資料、各種報告書の入手についても、上記に関連する影響等で円滑に進めづらい時期が続いていた。引き続き、次年度も国内外の状況に留意し、当該調査時期の選定も配慮しながら適宜、使用していく計画を考えている。
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Remarks |
蝶 慎一「広島大学におけるHirodai TA制度および新たな改革について」東海国立大学機構 アカデミック・セントラル QTA・GSI トレーニングセンター 名古屋大学高等教育研究センター オンラインセミナー、2022年2月21日。 蝶 慎一「学生は大学の支援をどう見ているのか~コロナ環境下で学生が求める支援と職員の果たす役割とは~」主催:特定非営利活動法人学生文化創造、2021年7月1日。
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Research Products
(10 results)