2018 Fiscal Year Research-status Report
小・中学校の自律的改革のための形成的評価指標の開発とその実用化に関する研究
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18K13209
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮内 久絵 筑波大学, 人間系, 助教 (40530986)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インクルーシブ教育 / 低発生頻度障害 / 評価指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本において、差異や多様性を尊重する共生社会の構築を目指したインクルーシブ教育システムを実現するための基本的研究である。共生社会構築に不可欠な要素として、小・中学校改革に着目し、学校が自律的にインクルーシブな教育環境を築くにあたっての評価指標の開発を目的とした。初年度は以下の2つを実施した。 ①システィマティック・レビュー: 目的:低発生頻度障害の代表である視覚障害に焦点をあて、1980年から2018年までに査読付き英文誌に掲載されたインクルーシブ教育に関連する論文をレビューすることとした。方法:EBSCO, ERIC, Education fulltext のデータベースを活用し、視覚障害、インクルーシブ教育等、計4つのキーワードで検索した。成果:472の論文雑誌が挙がった。472論文のタイトルとアブストラクトからテーマ外のものを外した結果、93の論文雑誌が残った。現在は研究代表者と米国オハイオ州立大学教員で93の論文雑誌のカテゴリー化を進めている。 ②実地調査: 目的/方法:米国(ミシガン州、オハイオ州)、ドイツ(バーデン=ビュッテンベルグ州、ハンブルグ州)の小・中学校で学ぶ低発生頻度障害児の支援に携わる教員11名に対し、インクルーシブ教育を構築するための工夫や活用されているツールについてインタビュー調査を行った。成果:米国では法的拘束力をもつ個別化教育プログラム(IEP)が重要な役割を果たしていたが、その詳細を決定する上で、一つの指標として活用されていたのが低発生頻度障害のニーズを可視化するミシガン視覚支援サービス介入尺度(MVSSRS)であった。ドイツでは複数の盲学校にて視覚障害児の支援ニーズと必要となる学習環境や専門家による支援内容・時間数などを数値化したガイドラインを作成していた。こうした複数のツールが、小・中学校の主体的な改革を促していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である平成30年度は本研究の理論的枠組みとなる文献研究を開始できたほか、一部の実地調査にも着手できた。以上の理由から順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は2018年度に実施した研究成果を海外の学会等で発表し、関連分野の研究者と情報交換を行う予定である。
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Research Products
(4 results)