2019 Fiscal Year Research-status Report
小・中学校の自律的改革のための形成的評価指標の開発とその実用化に関する研究
Project/Area Number |
18K13209
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮内 久絵 筑波大学, 人間系, 助教 (40530986)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インクルーシブ教育 / 低発生頻度障害 / 視覚障害 / 評価指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小・中学校の改革に着目し、各学校が自律的にインクルーシブな教育環境を築くための指標の開発を最終目標としている。指標開発にあたっては、通常学校で学ぶ低発生頻度障害児に直接的・間接的に影響を及ぼす要素を整理する必要がある。本プロジェクトは、低発生頻度障害のインクルーシブ教育システムの実現にあたって有効とされる生態学的システム理論を参考に(Bronfenbrenner,1979; McLinden & McCracken, 2016)、低発生頻度障害児に直接的・間接的に影響を及ぼす要素を「マイクロシステム」「メゾシステム」「エクソシステム」「マクロシステム」に分類し、複数の研究を実施した。 【マクロシステムに関する研究】①インクルーシブ教育に関する論文のシステマティックレビュー:視覚障害当事者の観点からインクルーシブ教育について調査した論文16編に焦点をあて、インクルーシブ教育の成果と課題についてまとめた。一部では高い質のインクルーシブ教育が実現できている半面、社会的・教育的課題も多く残ることが分かった。 【メゾシステムに関する研究】②ドイツと日本の巡回指導教員に対するインタビュー調査:日本とドイツにおいて通常の学校で学ぶ低発生頻度障害の巡回指導にあたる教員、計、15名に対し、現在の活動の内容、成果や課題について半構造化面接を実施した。活動内容の一部においては共通点がみられたものの、成果や課題においては多くの相違点がみられた。 【メゾシステム、エクソシステム、マクロシステムに関する研究】③アメリカにおける低発生頻度障害児の教育的支援体制調査:アメリカの4つの州において通常の学校で学ぶ低発生頻度障害児の支援体制の調査を実施した。4州のうち、3州では視覚特別支援学校がその機能を拡大し、州全体の視覚障害児への支援を学区と連携しながら実施していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査や文献レビューの実施と分析は完成し、2020年度には一部の成果を英文誌に投稿するための準備が整っているため、上記の評価が妥当と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
①~③の研究はいずれも2020年度も引き続き実施する。具体的には、成果発表(英文誌への投稿準備)を進めるほか、対象を拡大し、調査を実施する。
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Research Products
(8 results)