2020 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症の児童にソーシャルシンキングは教えられるか?
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18K13212
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
稲田 尚子 帝京大学, 文学部, 准教授 (60466216)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 児童 / ソーシャルシンキング / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、知的障害のない自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)に対して児童期から実施できる、ソーシャルシンキングのプログラムの開発を行い、その有効性を検討することを目的とする。本研究では、ソーシャルシンキングの中でも、他者視点の取得に力点を置き、パッケージ化するものである。 2020年度は、2019年度までに開発したプログラムを実施し、その有効性を検討する予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大により、予定していた対面での小グループでの介入プログラムの実践が困難となり、実施を見送った。そのため、当初の予定から研究はやや遅滞しているが、新型コロナウィルス感染拡大状況下において実践を再開していくための準備を行った。具体的には、これまでの実践経験や先行研究に基づき、(1)介入プログラムで使用する予定のワークブックなど、介入プログラムのマテリアル開発、(2)情報通信技術(ICT)を用いたオンラインでのグループ実践に関する検討、(3)オンラインでのグループ実施中の児童の「参加」を高めるための具体的な方策に関する検討、を行い、また、(4)研究参加者募集のためのホームページ作成に着手した。 (1)で開発したワークブックは、①視線に気づく、②他者の感情に気づく、③視線と他者の考えの関係に気づく、④他者が考えていることを考える、⑤二人の他者が違うことを考えたり感じたりしていることに気づく、の5つの要素から構成されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大と度重なる緊急事態宣言により、研究代表者の勤務する東京都では、予定していた対面での小グループでの介入プログラムの実践が困難であり、実施を見送った。そのため、当初の予定から研究は遅滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染拡大は2021年度も持続することが想定されるため、対面での研究実践ではなく、情報通信技術(ICT)を用いたオンラインでのグループ実践を計画している。オンライン実践の際のグループ運営の工夫の検討が完了したため、2021年度は、実践を試みていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大により、2020年度に予定していた研究が計画通りに実践できなかった。2021年度は、ICTを用いたオンラインでの実践を試みるため、研究協力者への謝礼や研究補助者への謝金、研修費等の使用を計画している。
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