2022 Fiscal Year Annual Research Report
Perspective Taking for children with Autism Spectrum Disorder
Project/Area Number |
18K13212
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
稲田 尚子 帝京大学, 文学部, 准教授 (60466216)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / ソーシャルシンキング / 認知行動療法 / 他者視点取得 / クラスワイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、知的障害のない自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder: ASD)の幼児期、児童期に実施できる、ソーシャルシンキングのプログラムの開発を行い、その有効性を検討することを目的とする。本研究では、ソーシャルシンキングの中でも、他者視点の取得に力点を置き、パッケージ化するものである。 研究期間全体を通じて、中核的なマニュアルである『ソーシャルシンキング:社会性とコミュニケーションに問題を抱える人への対人認知と視点どりの支援』および漫画テキスト『10代のためのソーシャルシンキング・ライフ:場に合った行動の選択とその考え方』の翻訳出版が完了し、他者視点取得の程度について、ソーシャルシンキングダイナミックアセスメント(ミシェル・ガルシア・ウィナー著,稲田・黒田訳,2018)を参考にして、インフォーマルなアセスメント方法を整備した。 他者視点取得プログラム(60分全5回)を開発し、自閉スペクトラム症の児童に実施し、その有効性が確認された。 2022年度は、2021年度に実施した研究をさらに展開させた。クラスワイドで実施できるプログラムとして開発した「身体全部を使って話を聞こう」というモンスターキャラクターの紙芝居および集団随伴性の手続きを用いて、保育園での朝の会の場面で先生のお話を聞く姿勢(着席行動)を習得させることを目的として実施した。ベースライン時と比較して、介入段階では適切な着席行動をしている幼児の割合が増え、その効果がみられた。また、実施した担任の先生からも、プログラムの実行のしやすさ、子どもの着席行動の変化の実感を感想として伝えられ、社会的妥当性が確認された。
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