2018 Fiscal Year Research-status Report
コミュニケーションに困難のある児童生徒の個人差と支援方法の検討
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18K13217
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 綾菜 京都大学, こころの未来研究センター, 研究員 (70617258)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コミュニケーション / 児童 / 生徒 / 個人差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、コミュニケーションに困難のある児童生徒の個人差を明らかにするとともに、コミュニケーションを促進する働きかけを明らかにすることで、個人間の相互作用という観点からより個別のニーズに合った支援方法の提案を目指すことを目的とする。2018年度は、コミュニケーションに困難のある児童生徒とコミュニケーションをとる側の関わり方に着目し、言語理解を促進するような支援者の言葉かけの特徴を明らかにすることを目的として、コミュニケーションに困難のある児童生徒を対象とした個別支援を継続的に行った。支援は、学習支援の一環として実施し、その様子をビデオ撮影した。現在、この個別支援場面についての分析を進めており、子どもが支援者の発話に対してスムーズに理解できた場面と理解できなかった場面を複数ピックアップし、支援者の言葉かけの特徴を明らかにしていく予定である。また、自閉症スペクトラム障害の評価に用いられるADOS-2(Autism Diagnostic Observation Schedule Second Edition)の研究用研修会に参加し、研究使用資格の取得の準備を進めた。定型発達児と自閉症スペクトラム児それぞれ複数名を対象にADOS-2を実施し、評定の精度を高めていった。次年度以降、コミュニケーションに困難のある児童生徒の個人差を明らかにしていく上で、ADOS-2を用いて診断の妥当性を確認するとともに、自閉症スペクトラム症状の程度との関連なども検討していく予定である。さらに、コミュニケーション支援に関する資料収集を行い、新たな支援方法を検討するための下準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
想定よりも個別支援場面についての分析に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、個別支援場面の分析を進める。その上で、実験的な言語コミュニケーション課題を実施し、実験場面と日常場面を合わせてコミュニケーションの個人差の検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
参加予定であった学会への参加をキャンセルしたため、旅費およびその他の費用が繰り越されることとなった。次年度には成果発表と情報収集のために、より多くの学会に参加する予定である。
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Research Products
(2 results)