2021 Fiscal Year Research-status Report
発達障害者に対する潜在的態度の測定課題と肯定的変容プログラムの開発
Project/Area Number |
18K13221
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
横田 晋務 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (70734797)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 潜在的態度 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、可視性の低い自閉スペクトラム症(ASD)者に対する潜在的態度測定課題(IAT課題)の開発、ならびに妥当性の検討、および、潜在的態度の肯定的変容を促す介入プログラムの開発である。本年度は、fMRI課題で得られた脳活動によるIAT課題での潜在的態度指標の予測可能性を検討、および介入プログラムの効果検証データの取得を行った。 潜在的態度指標の予測可能性については、Amodio and Cikara (2021); Izuma et al. (2019)を参考に、態度に関するネットワークに含まれる扁桃体、尾状核、島、前頭前野内側部、眼窩前頭前野をROIとしてone-back課題における賦活量(Parameter estimates)を抽出した。 IAT課題において得られたD scoreを脳賦活データから予測するため、LIBSVMを用い、Support Vector RegressionによるMulti Voxel Pattern Analysis (MVPA)を実施した。D scoreのグループ内平均がほぼ同様になるように割り付けた6つのグループ(6名1グループ)にて、6 fold cross validationの結果、右扁桃体において中程度の正の相関(r = 0.46)が得られた。その後、5,000回のpermutation testを実施し、出現率から得られた相関係数が有意であることを検証検証した(p perm = 0.01)。 また、介入プログラムの効果検証においては、大学生30名を対象として、介入プログラム実施前後、および1ヶ月後の3時点において、IAT課題による潜在的態度、および質問紙による顕在的態度のデータ取得を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウィルスの感染拡大により、2020年度に予定していた対面でのデータ取得ができず、急遽オンラインでの行動実験の準備を行なったため、当初の計画よりも遅れが生じている。この準備期間を除けば概ね予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた結果をもとに論文執筆を行う。 また、引き続き、障害学生支援に関する支援者養成講座をフィールドとし、質問紙による顕在的態度と社会的望ましさ尺度を取得する。さらに、潜在的態度課題として、Implicit association test(IAT)を実施する。対象者に対して、ASD、および身体障害に対する前述の質問紙、IATを3時点(講座受講前、受講後、受講1ヶ月後のフォローアップ)で取得し、縦断的な態度の変化について対象とした障害種の比較検討を行うことを目的とする。
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Causes of Carryover |
今年度実施した介入プログラムの効果検証については、被験者数が当初予定よりも少なかったため、人件費の余剰が生じた。 また、コロナウィルス感染拡大により、国内外の学会への参加ができなかったこと、研究打ち合わせ等の国内出張ができなかったことにより、旅費に余剰が生じた。 人件費については、来年度も引き続きデータ取得を行うこととともに、コロナウィルスの状況に応じて国内外の学会や研究打ち合わせも対面にて行う。
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