2022 Fiscal Year Research-status Report
児童の様子から教師が限局性学習障害と病態の把握を可能とするための疾患概念の確立
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18K13229
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
福井 美保 大阪医科薬科大学, 小児高次脳機能研究所, 非常勤講師 (70782241)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / 早産児 / 学童期 / 目と手の協応 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の流行により、新たなデータ収集が困難な状態が続いている。2022年度は、これまでに評価したデータと質問紙の関係性の分析を行い、その1つを学会報告した。 早産低出生体重児(VLBWI)において、視覚情報処理能力の低下と注意機能の問題が起こるリスクが高いことは知られている。そこで、注意機能の問題が生じることが報告されているADHD児とVLBWIのWISC-Ⅳ検査の下位項目を比較した結果、VLBWIでは、ADHD児に比べて絵の抹消課題は有意に低いことがわかった。このことより絵の抹消課題は、VLBWIの病態を反映している可能性が示唆され、具体的にどのような症状との関連があるのかということについて、学童期用視覚関連症状チェックリスト(VSPCL)の項目との相関関係について検討を行った。その結果、「手指操作」に関連する項目3項目と相関があることがわかった。絵の抹消課題は、選択的視覚性注意との関連が報告されている項目である。今回の結果で最も相関があった項目は、「図形や絵を見て同じように書き写すことが苦手」であった。模写課題には、手指操作の関与と、視覚情報処理能力も関与するものであるため、絵の抹消課題との相関も妥当であるとは考えられた。今回の検討では、検査結果が具体的にどのような困難さを抱えるのかということを検討することできた。今回相関が認められた3項目は、VLBWIに対してどのような問診を行えばいいかという問いに対する1つの解答となったと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新しいデータの蓄積を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴いデータの収集がかなわなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のデータは、学年の偏りがあるため、新しいデータの収集を試みる予定ではあるが、2023年度は最終年度となるため、2022年度に試みたように、我々が収集した既存のデータをもとに、各検査結果の関連性や既存の問診票との相関の解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
新たな検査を行わなかったことにより、人件費、謝金の支出が発生しなかった。2023年度は 、新たな検査を予定するため人件費、謝金の使用に加え、既存のデータの解析を進めるための人件費や統計ソフトの購入を予定している。
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Research Products
(2 results)