2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and intervention for Japanese children at-risk of reading and writing difficulties in English based on phonological awareness tasks
Project/Area Number |
18K13233
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥村 安寿子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (60749860)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語 / 読み書き困難 / 発達性ディスレクシア / 検査開発 / 小学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、新型コロナウィルス感染症の収束に伴い、補助事業期間の終了直前に一般小学生(6年生、95名)のデータ収集を行うことができた。令和3年度までに確立した、英語の基礎的な読み書き、および音韻意識に関する課題を集団実施し、6年生でも適切に実施できることを確認した。結果として、アルファベット大文字の書き取りは6年生でも平均が満点(26文字)に近く、英語読み書き困難の一次スクリーニング課題となり得ることが示された。その他の検査課題については、分布や基準値について解析を継続中である。 令和3年度までに収集した一般中学生(1-3年生、計629名)のデータについては、英語の基礎的な読み書きと音韻意識課題の対応分析を進めたところ、前者の困難が後者の成績低下と必ずしも関連しなかった。そこで、読み書き困難の判定について、既存の基準値と読み書き困難者の課題間対応(大文字の書き取り・英単語の読み書き・英単語検索)を検証した。その結果、既存の基準値はおおむね適切であるが、中学校1年生の英単語課題(綴り)については、再考を要することが示された。困難者の課題間対応については、単一課題での低成績、発達性ディスレクシアとの関わりが不明瞭な低成績課題の組み合わせ等が示されたこと。このことから、読み書きについては複数課題を組み合わせた判定基準が適切と考えられ、令和3年度に確立した検査・診断手順(第1段階:大文字の書き取り、第2段階:英単語の読み書き)についても精査を要することが示された。 以上より、中学生で得られた知見に基づき、小学校6年生のデータ解析と基準値作成を進めることで、英語読み書き困難に対する教育的・医療的対応を早期化かつ適正化できることが期待される。
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