2019 Fiscal Year Research-status Report
機能機構階層図を用いた協調学習教材設計支援システムの開発
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18K13238
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Research Institution | Advanced Institute of Industrial Technology |
Principal Investigator |
大崎 理乃 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (50630802)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教育学習支援システム / 学習環境デザイン / 可視化 / 協調学習 / 教材設計 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,主体的・対話的で深い学びを実現する方法として注目されている協調学習の教材設計が,教師の経験と勘に依存しすぎているという課題を解決するために,教材設計を支援するシステムを開発し,システムの機能や有効な利用方法の検討を行うものである.2019年度の計画では,システム要件の検討と,システムのモデル評価を予定していた. 2019年度は前年度よりも多くの研究協力者の協力を得て,システムのモデル評価のために本研究が対象とする協調学習教材の設計データを収集し,システムの利用状況を調査した.また,これらのデータを元に,どのような機能が本研究課題で開発するシステムに必要となるか,昨年度調査に対してより一般的なシステム要件を検討した.具体的には,本研究課題の重要な観点である「協調学習教材の解答と部品間(協調を生み出すための資料)の関係」を考慮した教材設計の実態を確認するため,学習内容の専門家によって「良い」教材として評価された協調学習教材の解答と部品を,教材設計者が設定したキーワードを用いて分析したところ,キーワード間の凝縮性には傾向が確認されず,更なる調査の必要性とシステムによる支援対象拡大の必要性が示唆された. そのほか,本研究の展開を目指して,提案方法を利用した評価ツール開発のため,機械学習を利用した方法を提案・実装し,協調学習中の発話の評価に適用したところ,既存手法で生成された教師データの適用では,発話を十分に評価しきれないことを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のとおり,本研究課題の目標達成に必要な課題の確認を含め,予定通り調査・分析・検討が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,本研究で開発を目指すシステムのモデル評価を進め,実践レベルでの授業設計に利用可能なシステム構成を検討・整理し,その有用性を評価する予定である.さらに,引き続き学校現場と連携した研究体制強化のために,研究協力者や現職教員,教職課程学生を対象とした情報発信と情報収集を行い,様々な校種での本研究提案方法の利用可能性を検討する.
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Causes of Carryover |
(理由)利用状況調査の結果に基づき購入予定物品の再検討が必要となったこと,参加予定であった国際会議が中止になったことにより,残額が生じた. (使用計画)購入予定物品の購入のほか,今年度に開催される国際会議にて本課題に関連する研究発表を行うための旅費に充当することを予定している.
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