2020 Fiscal Year Research-status Report
機能機構階層図を用いた協調学習教材設計支援システムの開発
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18K13238
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Research Institution | Advanced Institute of Industrial Technology |
Principal Investigator |
大崎 理乃 東京都立産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (50630802)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教育学習支援システム / 学習環境デザイン / 可視化 / 協調学習 / 教材設計 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,主体的・対話的で深い学びを実現する方法として注目されている協調学習の教材設計が,教師の経験と勘に依存しすぎているという課題を解決するために,教材設計を支援するシステムを開発し,システムの機能や有用な利用方法の検討を行うものである.2020年度計画では,学校現場と連携した研究体制強化を目的として,研究協力者や現職教員,教職課程学生を対象とした情報発信と情報収集をもとに,様々な学校種での本研究提案方法の利用可能性を検討する予定であった. しかし,2020年度はCOVID-19対策を目的とした様々な制約のなか,学校現場と連携した実践データの収集や調査を中心とした研究計画の大規模な変更が求められた.そこで,過去に収集した実践データの分析を行うとともに,初学者を対象とした協調学習教材開発プロセスのデータ収集を中心に研究活動を行った.さらに,昨年度に引き続き機械学習を利用した教材設計支援システムの開発に取り組んだほか,新たに求められ始めたオンラインでの協調学習のための教材設計方法を検討した. これらの研究活動の結果,本研究課題が対象とする協調学習方法では,学習者が教材による知識獲得をグループ学習の準備的活動として主体的・対話的に実施していることが示唆された.さらに,オンラインでの協調学習と対面型の協調学習の比較から,オンラインでの協調学習時に必要な学習環境デザインの工夫として,対面式の協調学習よりも手厚い情報交換のサポートとより十分な活動時間が求められることを示唆した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の広がりや感染対策の影響で,学校現場での活動や出張に制限が生じたため,2020年度に予定していた調査や検討の多くが実施できなかった.一方で,研究課題の申請時点で想定していたよりも多くの教材設計プロセスデータの収集に成功するなど,当初の計画以上に進展した部分もあった.以上のことから,研究の進捗状況はやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では2020年度から2021年度の2年計画であった本研究での提案方法の機能や有用性に関する検討を,引き続き実施する予定である.具体的には,研究協力者を対象とした調査と情報収集を行い,本研究課題が提案するシステムの機能を検証しユーザーからのフィードバックをもとに改善する.さらに,様々な学校種での本研究提案方法の利用可能性を検討する.
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Causes of Carryover |
(理由)対面でのデータ収集ができない状況の中,データ収集のための必要機器の選定を再度行う必要が生じたこと,研究計画変更に伴って謝金等の支払が延期となったことが主な理由である.また,学会・研究会の開催中止などによって,予定していた研究成果の発表が延期となったことによる残額も発生した. (使用計画)予定していたデータ収録機器の購入や謝金,データの文字起こし費用として使用するほか,延期となった研究成果発表のための学会参加費・旅費として使用する予定である.
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