2022 Fiscal Year Research-status Report
機能機構階層図を用いた協調学習教材設計支援システムの開発
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18K13238
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
大崎 理乃 武蔵野大学, データサイエンス学部, 講師 (50630802)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学習支援システム / 学習環境デザイン / データビジュアライゼーション / 協調学習 / ラーニングアナリティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,主体的・対話的で深い学びを実現する方法として注目されている協調学習の教材設計が,教師の経験と勘に依存しすぎているという課題を解決するために,協調学習教材の設計支援システムを開発し,システムの機能や有用な利用方法の検討を行うものである.2022年度の計画では,提案方法に関する検討として,教育現場と連携した調査と情報収集を行い,本研究課題が提案するシステムの機能を検証しユーザーからのフィードバックをもとに改善することを予定していた.しかし,COVID-19感染拡大防止のための活動制限や教育現場を取り巻く状況の変化によって,研究計画の変更が必要となった.そこで,昨年度までの研究において,本研究課題の提案方法によって明らかにされた協調学習課題の設問による学習への影響に焦点をあてるとともに,近年の教育実践環境でのICT機器の整備状況を踏まえて,オンライン環境での協調学習における実践研究に取り組み,今後の分析のためのデータを収集した.また,提案方法を利用して設計した教材の有用性検討のため,近年世界的に注目されているQuantitative Ethnographyのアプローチに取り組んだ.これらの検討の結果,本研究提案が目指す協調教材設計支援のために,教材知識の広さと深さのほか,学習の段階性の検討が求められることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学校現場での活動や出張に制限が生じたため,予定していた実践的調査と情報収集の多くが実施できなかった.一方で,近年の教育実践環境でのICT機器の整備状況を踏まえて,オンライン上での協調学習に関する実践研究に取り組むなど,当初計画に対して発展的に実施することができた部分もあった.以上のことから,研究の進捗状況はやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の最終年度に予定していた検討として,教材設計支援方法の機能や有用性の評価を実施する予定である.具体的には,研究協力者を対象とした調査と情報収集を行い,本研究課題が提案するシステムの機能を検証しユーザーからのフィードバックをもとに改善する.さらに,様々な学校種での本研究提案方法の利用可能性を検討する.
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Causes of Carryover |
(理由)近年の学習環境設計条件の変更に伴い,データ収集機器を選定し直すために,予算執行に遅れが生じた.また,研究計画の変更に伴って収集データの文字起こし費用や謝金の支払が延期となった.そのほか,予定していた学会・研究会への参加中止などによって残額が発生した. (使用計画)予定していたデータ収録機器の購入や謝金,データの文字起こし費用として使用する.また,延期となった研究成果発表のための学会参加費・旅費として使用する.
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