2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Model for Succession Lesson Study Using Classroom Archives in International Educational Cooperation
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18K13245
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
今野 貴之 明星大学, 教育学部, 准教授 (70632602)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教育工学 / 授業研究 / 教師教育 / 活動理論 / 授業アーカイブ / 国際教育協力 / SDGs / インド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国際教育協力のひとつとして、授業アーカイブを活用し、教育方法・技術が現地の教師に継承される授業研究モデルを開発することである。 2022年は最終年として、研究対象校の教師が授業研究を介してどのように授業技術を取り入れようと考え、どのような問題に直面し、授業改善の軌跡を継承していくのかについて以下の2つのデータをもとに分析を進めた。ひとつは現地に渡航できていた2020年以前の研究協力校におけるこれまでの授業や授業研究観察記録、インタビューのデータである。もうひとつは2020年以降のオンラインモニタリングとして教育アドバイザーや校長からメールやSNSを介して、授業や授業研究の様子のデータである。これらを分析データとし、拡張的学習論を理論的枠組みとして、事例の特徴を抽出した。 分析の結果、下記の2つの特徴が明らかになった。 (1)児童生徒の授業反応による教師の授業改善と管理職による情報共有:教師は、授業という活動において授業アーカイブを「道具」として用い、対象となる児童生徒の学習の理解につなげていた。さらに、授業研究という「共同体」において、教育アドバイザーや校長といった管理職の「分業」により授業改善の知見が各教師に蓄積、共有されていたことがわかった。 (2)新しい活動の創出による構造的問題と個々の教員の授業記録の工夫:教師が授業改善を行うことにより勤務時間の増加を問題として認識していたり、コロナ禍において対面授業が制限され、勤務時間が短くなる中で従来の授業や授業研究の進め方ができないという状況に陥っていたりしたことが分かった。それらの問題に対して、教師同士が対面で授業の共有ができなくともオンラインやクラウドをもちいて情報共有するという活動をつくり出していたこともわかった。
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Research Products
(1 results)