2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K13253
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Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
久保田 崇 大島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (40413843)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 衝突のおそれ |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、団塊の世代の航海者が現役を去り、海運界全体が航海者不足である。本来、航海者の技術の向上は経験を積むことで実現されるものであるが、商業船舶では昇進が早く、短い乗船経験での航海者育成が急務となり、若手航海者にはプレッシャーとしてのしかかる。従って20代の若手航海者の経験不足をフォローする新支援システムが早急に必要である。本研究は次世代を担う若手航海者が安全に航行できる支援システムを構築することを目的とする。 これまで本研究では、航海者の避航行動に関する評価指標の構築を目指し、研究・実験を行ってきた。研究成果として、シミュレータ実験や行動を録画したデータから基礎的な航海者の避航行動モデルを提案した。次に避航行動モデルを検証し、航海者の主観的な衝突の危険評価を定量化するためにシミュレータを用いて避航実験を行った。そして実験結果から、接近する他船に対して航海者が感じる主観的衝突の危険評価を、TCPA(他船の最接近時間)を変数とするシグモイド関数を用いた近似式で示し、他の船舶を視覚情報に基づいて瞬時に判断する主観的な衝突の危険度を、DCPA(他船の最接近距離)を変数とする新たな指標である総合的な主観的衝突のおそれ(Synthetically Subjective Risk of Collision: SYSROC)を提案し、SYSROCが衝突の危険度を総合的に判断する一つの指標となることを提示した。 本研究で明らかにする部分は、まずSYSROC実用化のためにSYSROC空間と周囲の状況変化を同時表現することである。また若手航海者に協力願い実用性の検証を実施する。また現在提示できるSYSROCは全長100m、5000t程度の航海者のデータを基にしたものなので、SYSROC検証時に別船種の若手航海士のデータも採取しSYSROCを構築・改良する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、実験や解析に必要な装置やソフトウェアを揃え、環境を整えた。また計画通り、本校で行われているBRM(ブリッジリソースマネジメント)研修のデータの整理を実施し、その中から指標を構築するための行動記録データと映像・シミュレータのログを抽出した。また次年度以降に実施する予定であった、指標の構築のための避航実験を先行して実施することが出来、ボイスレコーダーに記録された航海士と他の乗組員の会話とビデオカメラに記録された被験者の行動・移動・音声、そしてシミュレータに記録された船舶の動静を解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定は、引き続き指標の構築のための避航実験を繰り返し、新たなデータを採取する事とSYSROCの理想的な表現方法(時系列的・空間的)を開発する事に着手する。また本年度以降は被験者を募り、検証実験(表現シミュレーション)を行い、SYSROCの効果を体感してもらい、ヒアリング調査し、実用化に向けて助言を頂く所までを推進目標とする。
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Causes of Carryover |
助成金申請時に申請した金額より、少額であったため当初購入計画であった物品費の内、DVDレコーダーやポータブルHDDは別予算で購入したものを代用し、差額14,730円が生じた。また旅費で1,760円、人件費で6,600円、そしてその他で8029円の計31,119円の差額が生じた。そして生じた差額の内2万円は、研究のための旅費とし、1万円はアンケート用紙や資料作成の紙代・インク代とする。
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